日本人が消えてゆく――東日本大震災から立ち直れるか

坂中提案

 わたしは、東日本大震災の起きる前から、人口動態の大転換に起因する体制崩壊を防ぐ起死回生の策は移民国家の創成であると国民に訴えてきた。誰も言わないが、激減した生産人口と消費人口の回復がなければ東日本大震災からの実のある復興計画は立てられない。移民開国で被災地の生産人口と消費人口を増やさなければ東日本大震災からの完全な復興はむずかしい。
 大震災から5年が過ぎたいま、改めて安倍晋三首相にお願いがある。安倍内閣が震災からの復興の決意のほどを国の内外に示すためにも「移民国家宣言」を行っていただきたい。
 大震災の復興を旗印に日本が移民国家に生まれ変われば、移民の活躍と国内需要の伸びが期待できるから、持続可能な経済と財政の見通しが立つ。世界各国から駆けつけた有為の人材が社会の一員に加わり、被災地の再建が順調に進む。
 人口危機が深まるなかで千年に一回の天災に遭遇した日本は、移民立国への転換と農林漁業革命の同時達成に国の命運をかけるべきだ。世界から前途有望な若者を迎える移民政策を強力に推し進めるとともに、家族単位で営む不安定な農林業・水産業の経営形態を一新し、移民の受け皿となれる大規模経営体に改める。
 平成の日本人が農林水産業の生き残りをかけた抜本的改革を行う気概がないのであれば、移民の受け入れは頓挫し、日本の第一次産業は人口の自然減の進行とともに滅亡への道を転がり落ちることになろう。
 2014年2月の安倍首相の「移民の受け入れに関する国民的議論」の呼びかけに応じ、全国の先頭を切って、人口崩壊と社会崩壊の危機が深まる被災地から移民開国を求める声を上げてほしい。いくら移民政策の導入に慎重な姿勢の政府も、被災地の人々の切実な声には耳を傾けるであろう。
 世界の人々から寄せられた支援に対する感謝の気持ちを決して忘れない被災地の人々は海外からの移民を心から歓迎するにちがいない。
 家族・友人・知人が出て行った被災地の人たちは、さびれる一方のコミュニティの再生のために、日本文化と日本永住にあこがれる世界の若者の入国を切望している。
 政府が移民立国を決断し、若手中心の新鮮な人材を被災地に供給すれば、被災地の社会と経済は元気を取り戻すであろう。

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