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日本の青少年は地球市民を目指す

「日本人は百年かけて雑種系民族に進化しなければならない」と、私はつとに主張している。移民二世のオバマ前米国大統領が2009年1月の就任直後、ホワイトハウスで飼っている犬の血統を記者から尋ねられ、「この犬は雑種。私も雑種」と述べたことを今も鮮明に記憶している。含蓄のある言葉に蒙を開かれた。

1000年以上も異国の民の大規模な流入を経験しなかった日本では、その間、縄文・弥生の時代から日本列島に居住する日本人の子孫が、いわば血縁者同士の親密な人間関係を結んで生きてきた。結果的に日本人は多様性に乏しい国民になった。

21世紀の時代は、インターネットによるグローバルネットワークの情報網が張り巡らされた地球社会である。世界中から多彩な人材を受け入れ、あたかも人工衛星から地球を見るような視点で世界を鳥瞰しなければ、激動の地球時代を乗り切るのは難しい。

地球社会でグローバル人材と渡り合うため、われら日本人は地球市民をめざす。その第一歩として、世界の若者が日本への移住に胸を膨らます移民国家の理想郷を日本列島にうちたてる。それぞれの民族が持つユニークな発想と鋭い感性と奥深い思考が競い合う社会である。地球上のすべての民族を網羅した1000万人の移民を国民候補として迎えれば、日本は多彩な顔を持つ人々が国民を構成する多民族国家に移行する。

私は、前代未聞の人口危機を日本が多民族共生国家に飛躍する好機ととらえている。賢明な国民が移民の力を借りて人口崩壊危機を乗り切り、日本民族その他すべての民族がうちとけて一つになる「多民族の融和」に挑む。日本列島を人類共同体社会に改造し、もって世界の青少年が日本への永住を憧れる移民の理想社会をつくる。

敷衍して述べると、そのような多民族共同体社会は、それぞれの民族が存在感を持ち、しかも日本国民としての一体感をいだく社会である。日本人のほか、モンゴル系日本人、アフリカ系日本人、ヨーロッパ系日本人、アラブ系日本人、アメリカ系日本人など様々な系統の民族出身者が日本国民としてまとまる社会だ。来るべき多民族社会においては、異なる文化を背負って生きる「新しいタイプの日本国民」の存在が欠かせないと私は考えている。

諸民族が団結して一つの国民になるためには、「人類は一つ。人種・民族・宗教が異なっても同じ人間」という文化人類学の常識を共有することが必須条件だ。

そのとき、縄文・弥生の時代から日本列島に居住する先祖代々の日本人に求められるのは、日本人としての民族的アイデンティティを持ち、かつ新参の民族を対等の存在と認めることである。古代から綿々と受け継いできた日本人の礼節を堅持するとともに、ニユーカマーの移民を社会の一員として迎え入れ、少数民族の持つ固有文化を尊重する。そのような民族の心と寛容の心を合わせ持つ日本人が、私が考える理想の日本人である。

世界の諸民族が日本に永住したいと憧れる国は、日本人が日本人としての誇りを持ち、移民が移民としての誇りを持つ社会だ。誇り高い日本人と誇り高い移民が互いの生き方を尊重し、かつ異なる民族が切磋琢磨して平和共存する社会が、私が思い描く人類共同体社会である。