日本の移民政策は世界の移民政策の誤りを正す

坂中提案

今日、欧米諸国では、移民排斥が叫ばれている。トランプ氏のアメリカのみならず、イギリス、フランス、ドイツなど主要移民国家で移民拒否の動きが止まらない。反イスラムと人種差別の本音がむき出しになった西欧文明は没落の危機にあると見ている。自由・平等・博愛はフランス革命の根本精神であったが、そのフランスでも、イスラム恐怖症と人種差別が公然と語られている。

アメリカは移民の国で「人種のるつぼ」と称されてきたが、人種間の融和どころか、白人至上主義者と黒人至上主義者の対立・抗争が激しくなる一方だ。トランプ大統領の常道を著しく逸した反移民の考え方は、西洋人の差別体質を象徴するものである。

西欧文明は結局、白人至上主義者と、キリスト教という一神教を信仰する人たちがつくった文明なのである。自分たちの宗教が絶対でいちばん正しい。ほかの宗教は間違っている。そういう独善的な考えが根底にある。今までは経済と産業に余裕があり、移民に比較的寛容であった。ところが、経済が行き詰まり、西洋人の本性が現れたのである。

イスラム=テロリストと決めつける。「IS(イスラム国)」も、アフガニスタンやイラクでの戦争の産物である。何のことはない。欧米諸国が始めた戦争が、西欧文明に牙をむく反逆児を大量に生み出したのである。

民族対立と宗教対立が激化する中、日本文明は世界文明の発展に貢献できるのだろうか。

そもそも日本人の民族性は、人種・宗教の違いはたいしたことではないと考えるものである。日本人は八百万の神々を信仰し、日本では神道と仏教が共存している。自然との一体感を抱き、動植物にも仏心があると考えるのが日本人。白人と黒人との間に優劣はないと考えるのが日本人。私の立てた移民政策は、人類は一つ、みな同じ地球市民という考えで、日本の精神風土に根ざした人類共同体の理念をうたっている。その点が欧米の移民政策と違うところである。

日本が新鮮な移民政策の旗を掲げて世界にアピールすれば、移民に対する恐怖心と人種差別・宗教差別が根底にある欧米諸国の移民政策を正しい方向にリードできる。

さて、日本と西欧では、移民に対するスタンスが真逆であるといっても過言ではない。西欧における移民の歴史は、アフリカの黒人を奴隷として新大陸に強制的に移住させた原罪を背負っている。これは世界人権史に残る汚点である。そして、現在の欧米諸国は移民の力を借りなければ経済と社会が運営できない状況に追い込まれている。

明治以後、日本が模範としてきたヨーロッパ文明、アメリカ文明とは一体何だったのか。移民政策に限って言えば、人道と正義に著しくもとるものであった。それに対して、私が提唱している日本型移民政策は、移民を人類同胞として友人として迎えるものである。

「全人類はみな同じ人間である。宗教や文化、皮膚の色の違いに関係なく、世界の人々を平等に受け入れる。日本人ならではの思いやりの心で歓迎する」と、日本政府が国際社会に約束してはどうか。新進の移民国家が真新しい移民政策の旗を掲げて世界に打って出れば、移民に対する偏見が広がっている世界の移民政策を正すことができるだろう。

日本政府が「50年間で1000万人の移民を和の心で迎える」と宣言すれば、世界の人材が日本に集まってくる。アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスが移民の入国規制に向かう中、新生の人道移民大国は世界の若者の心のよりどころになるだろう。

« »