日本の移民政策は世界の平和に貢献する世界政策

坂中提案

民族や文化の異なる人と人との平和共存の道は決して平坦ではない。世界の諸民族の相互理解と共存共栄は人類の永遠の課題なのかもしれない。

一般に、自らの民族と文化に誇りを持たない国民は異なる民族と文化に寛容になれないものだ。一方、外国人がそのような国民に敬意を表さないことも明らかだ。

日本が移民の受け入れに成功するためには、日本人と他の民族が互いの立場を尊重し合って生きる社会、すなわち多民族共生社会をつくる必要がある。

そのとき日本人に求められるのは、日本人としてのアイデンティティを確認する一方、異なる民族を対等の存在と認めることである。すなわち、日本民族の根本精神を守るとともに、ほかの民族の固有文化を尊重しなければならない。

世界の民族が移住したいと思う国は、日本人が日本人としての誇りを持ち、移民が移民としての誇りを持てる社会である。

日本の移民政策の究極の目的は、世界のどの民族も成し遂げていない人類共同体の実現である。先祖代々の日本人のほか、地球上の様々な民族が日本国民として一つにまとまる社会だ。

世界の諸民族が団結して一つの国民になるためには、日本に永住するすべての民族が、「人類は一つである。民族や文化の違いはあっても同じ人間である」という文化人類学の常識を共有することが必須の条件だ。

世界の主要民族には、大なり小なり「エスノセントリズム」(民族的自己中心主義)が認められる。しかし、今の日本人には自分たちが最も優秀な民族という民族的優越感はほとんど見られない。世界の諸民族のなかで日本人は謙虚な民族の部類に入るのではないか。

日本人の心のなかには、世界にもまれな、人類はもとより動物・植物・鉱物を含む万物平等思想がある。和の心と寛容の心も健在である。外国人をもてなす心があり、すべての民族を等しく遇する日本人なら、世界の先頭を切って、地球上の諸民族が平和的に共存する社会を築けるだろう。

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