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日本の移民国家ビジョンが世界の人道危機を救う

2019年5月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリアなどの欧米諸国で異なる人種と宗教に対する排他的な考えが勢いを増している。移民拒絶主義者・人種差別主義者・極右団体がわが物顔で闊歩する世界にしてはならないと、世界の知性に訴える。

しかし、移民鎖国のイデオロギーを墨守して惰眠をむさぼっている日本のあり方こそが、よほど大きな問題であると言わなければならない。移民問題で悪戦苦闘する先進国の中でひとり日本が移民鎖国の温室の中でぬくぬく生きる時代は終わったと、私は移民政策をとることに抵抗している政治家への説得に全力を尽くす。一刻の猶予も許されない。それどころか最近の私は、もはや何もかも遅きに失し、どうあがいても日本再生の夢はかなわぬと絶望的な気持ちに襲われ時がある。

もともと私は物事を楽観的に見る性格だが、日本と世界がとんでもない方向に進んでいると直感したのかもしれない。私の第六感は的中率が高いから心配である。

少子高齢化による人口秩序の崩壊の脅威がひたひた押し寄せてくるなか、地方自治体の市長や村長が先頭に立って外国人材の獲得に駆けずり回っている。超少子化の進行で人材確保が死活問題と認識する経済界は新卒の大学生・高校生の囲い込みに奔走している。高度経済成長期の「青田刈り」を彷彿する動きも一部に見られる。

政府が反移民政策に固執すれば、人がいなくなった地方自治体の消滅や、人材獲得が困難になった中小・零細企業の倒産が相次ぐ。政治家は移民の助けを求める国民の悲鳴に耳を傾けるべきだ。政府は外国人材を各産業分野に潤沢に供給するため早急に移民開国を決断すべきだ。国民は「社会の一員として移民を温かく迎える社会」をつくる覚悟を決めるべきだ。

出生者人口の激減で大量の移民を最も必要とする日本が、50年間で1000万人の移民(難民を含む)を受け入れると、世界の人々と約束する時が来た。行き場を失った大量の移民・難民が人道危機に見舞われている中、世界中の人たちが、「人種や宗教の違い乗り越えて人類が一つになる移民社会の理念」=「人類共同体思想」を掲げて立ち上がる人道移民大国の出現に歓呼の声をあげるに違いない。

移民受難時代の到来は私の身にも変化をもたらした。日本の移民国家ビジョンのキーワード――つまり「人類共同体思想」は人類史的・世界的意義を有すると、世界の識者の注目の的になった。世界の知識人の間でミスターイミグレーションの名が通っている私は今後、日本のみならず世界の移民政策を牽引する責任があると気持ちを引き締める。

日本の移民政策のパイオニアの頭にひらめいた人類共同体の理念が、世界の人道危機を救う光明としてきらめく時代が訪れると信じて疑わない。日本の精神風土の下で成長した人類共同体思想に関する建設的な議論が国の内外で繰り広げられることを希望する。