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日本の伝統文化は移民立国の推進力

日本の伝統文化は日本に永住する移民にとっても身近な存在であり、魅力的なものである。今や日本文化は「日本人がひとりじめするもの」ではない。「世界の人びとのもの」である。たとえば、アニメ、華道、茶道は世界の多くの人々が共感する普遍的文化である。それは何を意味するか。日本の文化パワーは移民立国の推進力になるということだ。

モンゴルの横綱もいい。青い目の芸者もいい。アジアの美女がそろう宝塚歌劇もいい。世界の若者が博多祇園山笠でみこしを担ぐのもいい。色とりどりの民族衣装に身を包んだ若者が阿波踊りで踊り狂うのもいい。永住外国人が四国巡礼の旅に出るのもいい。西洋人が永平寺で禅の修行に励むのもいい。

多彩な顔の面々がみこし担いだり、踊ったり、日本酒を飲み交わしたりして、異なる民族の心がとけ合って一つになる至福の境地にひたっている光景を想像すると胸が躍る。そのときに一瞬、地球市民たちの心に人類同胞意識が形成されているのではないか。

世界の若者が感動する祭り・歌舞伎などの文化財や里山・棚田などの景観は全国いたるところにある。世界の人たちを日本に引き寄せる文化遺産や自然遺産を発掘し、世界に発信しよう。その役目を日本に永住する外国人に任せてはどうか。外国人ならではの感覚で新しい文化資源を発見し、それを世界に広めてくれるはずだ。

外国人観光客の増加と移民政策を支持する国民の増加とは密接に関係する。外国人観光客が増えれば、日本人と外国人が親しく接する機会が増え、国民の間に日本に永住する外国人を歓迎する空気が醸成されるだろう。それとあいまって、外国人観光客の中から、礼節を重んじる日本人、穏やかな人柄の日本人、やさしい心がある日本人に好意を抱き、日本永住を希望する外国人が増加の一途をたどるだろう。

日本の国技である大相撲を支えているのは外国人力士たちである。国民は、日本を代表する伝統文化が外国人によって守られている現実を認めなければならない。

実力がものをいう立身出世の世界である大相撲は、いち早く外国人に門戸を開き、「外国人に開かれた日本」の象徴としての役割を見事にはたした。また、外国人力士たちが懸命に努力する姿は日本国民に感動を与え、日本人の好意的な外国人観の形成に貢献した。

大相撲における外国人の圧倒的な存在感が雄弁に物語るように、日本の伝統文化を受け継いで後世へ伝える人は何も日本人に限られるわけではない。アニメ、ファッション、日本文学、歌舞伎、禅、華道、茶道などの日本文化に精通する若者は世界中にごまんといる。

時代は変わった。日本文化は「世界の人びとが愛でるもの」になった。近年、日本文化に憧れる外国人観光客が爆発的に増えている事実がそのことの何よりの証明である。

私たち日本人は、外国人の心をひきつける日本文化の持つ普遍性について認識を新たにする必要がある。外国人に日本文化の真髄が理解できるはずがないと思い込んでいる日本人がまだいるとすれば、それは時代遅れの考えである。

後継者難の伝統工芸や伝統芸能の分野も、日本文化のとりこになっている外国人に活躍の場を提供すれば、外国人が伝統文化の保存・発展の一翼を担ってくれるだろう。政府は、日本の伝統文化に造詣が深い外国人を、移民候補の筆頭として処遇すべきだ。日本文化に敬愛の念を抱く親日派の人たちに速やかに永住を許可し、希望すれば国籍も与えるのが移民政策の正しいありかたである。

法務省にお願いがある。日本の伝統工芸・伝統芸能の技能を継承する外国人を移民として迎えるため、「伝統工芸」と「伝統芸能」の在留資格を新設してもらいたい。