日本の人口秩序を正す切り札は移民政策

坂中提案

平成時代のパワーエリートたちは、人口崩壊の危機に端を発した国家存亡の危機を直視しようとしない。日本人が得意の「臭い物に蓋をする」という姿勢なのだろうか

ならば、白日のもとにさらそう。人がいなくなった国家と社会と経済がどんな運命をたどるか想像してみてはどうか。いま、日本人が乗った日本丸は、地球上から日本人が次々と姿を消してゆく「未知の世界」へ向かって進んでいる。私は落ちるところまで落ちたその先の世界など見たくもない。

重体におちいった日本は緊急の外科手術が必要だ。しかし、国家の重大危機を招いた根本原因がどこにあるのかについて問われることはない。問題の所在さえ明らかになれば、どこにメスを入れたらいいのか、その答えは自ずと出てくるというのに。

たとえば、深刻化する経済財政の問題である。日本が直面するデフレ経済、巨額の財政赤字、成長戦略が立てられない経済の弱体化などの諸問題の根底に「人口」がある。出生率の低下と人口の高齢化の問題に正面から取り組まない限り、経済財政問題の根本的解決は不可能だ。

もう一つ例を挙げる。超少子化の直撃を受けて経営破綻する大学が続出する大学問題である。たとえ海外から留学生を大規模に受け入れたとしても、すでに遅きに失し、多数の大学が倒産の憂き目にあうのは必至だ。それを知らないふりをし、あるいは小手先の対策で済まそうとする大学人ばかりなのだから救いがたい。えり抜きの大学だけでも生き残れる大学革命を行わなければ、日本の若者の将来は絶望的といわなければならない。

一国の人口形態が「出生者」と「死亡者」と「移民」の三つの要因で決まるのは物理法則のようなものだから、出生者が激減する超少子化時代が続く日本の人口秩序を正す切り札は移民政策だ。それ以外の方法は考えられない。

平成の日本のリーダーに求められるのは、牢として抜きがたい移民鎖国体制を打破する勇気だ。移民を受け入れて新しい国づくりに挑戦する覇気だ。人口増加時代に形成された政治・社会・経済・財政・教育の各制度を一新する気概だ。

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