日本には移民を「日本化」させる不思議な力がある

坂中提案

 外国人ジャーナリストから、次のような質問を受けることがある。50年間で1000万人の移民を受け入れる能力が今の日本社会にあるのか。歴史的にも、江戸期265年間の「鎖国政策」に代表されるように、移民の受け入れも外国人との共生もほとんど体験したことがないのだから、それだけの度量の大きさを日本人に期待できるのか。もっともな疑問である。

 その点については、日本文明の持つ底力を全面に出し、日本には1000万人の移民を受け入れるための基盤も環境も精神風土も備わっていると答えることにしている。

 具体的には、第一に、長年にわたり蓄積されてきた産業技術と、卓越した世界企業の存在。高い教育水準と充実した高等教育機関も、今後、留学生を大幅に増やし、移民教育を行うための教育資源となる。

 第ニは、外国人の心を引く恵まれた自然と豊穣な文化。特においしい日本料理。第三は、日本社会には「人の和」や「寛容の心」を重んじる精神的基盤があること。以上の説明で外国メディアの皆さんは納得される。 

 仕事の関係で在日コリアンをはじめ様々な国籍の外国人と親しくつきあった経験から、日本という小宇宙には移民を「日本化」させる不思議な力があると感じている。

 知り合いの在日外国人は、信義を守る日本人、外国人をもてなす心がある日本人に敬愛の念を持っている。四季があって変化に富む自然、美しい田園風景、穏やかな社会風土、安全な社会を気に入っている。日本料理も日本文化も魅力的だと異口同音に語る。

 移民の二世以降の世代が日本の小中学校で勉強し、出身国や民族による差別のない社会で成長していけば、生まれ育った日本に愛着を覚え、日本社会と一体化するだろうと見ている。

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