日本が移民国家の仲間入りをすれば日米同盟の絆が深まる

坂中提案

2010年2月、ワシントンポスト紙のリー・ホックスタッダー論説委員が、「日本の移民受け入れに対する姿勢、態度の変化」のテーマで取材を行うため来日し、私を訪ねてきた。同紙の取材を受けるのは2007年12月と2009年1月に続いて三度目であった。ワシントンポストが日本の移民政策に寄せる関心は並々ならぬものがある。

ワシントンポストの論説委員は「日本型移民国家の構想」(2009年、移民政策研究所刊)の英語版(Towards a Japanese-style Immigration Nation)を読んでおられ、中身の濃い議論ができた。約2時間の取材が終わって意気投合したと感じた。私が見送ったとき、彼は「Lonely Battle」ですねと言って堅い握手をした。

ワシントンポストの一連の取材と報道を通して、アメリカは日本の移民開国を待望していると理解した。そしてワシントンポスト紙は、米国政府と同じ立場で、坂中英徳の移民国家構想を好意的に紹介してくれたのだと思った。

アメリカ政府は、アジアで最も信頼する同盟国の日本が、人口危機に適切な手を打たず、国際社会における存在感を急速に失っていくのは、アメリカのアジア戦略上好ましくないと考えているのではないか。いやもっとポジティブに、日本がアメリカと国家理念を共有する移民国家の仲間入りをし、日米同盟の絆が深まることを望んでいるのではないか。

私は2010年当時そう直感した。その後のアメリカの動きを見ると、そのような私の見方は正鵠を射るものであったと思っている。

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