政治家と移民政策研究所長の関係について 

坂中提案

ここで改めて政治家と私との関係について触れておきたい。法務省入国管理局の役人時代、政治家の圧力で左遷の辛酸をなめた。しかし、移民政策研究所長時代の移民政策の立案に限って言えば、日本政府は、危険な思想家の唱える移民革命思想を、終始一貫、寛容の精神で見守ってくれた。

原理原則にこだわるところがある私は、政治家の思惑や時流から超然として立つ立場から、私の考えを忌憚なく政府に申し上げてきた。不思議なことに政治家からの干渉も批判も一切なかった。政府首脳が革命家の自由な発言を許してくれたので、骨太の移民国家像を思いのまま描くことができた。主義主張を押し通した結果、体系的で普遍的な移民国家構想が生まれた。移民政策研究の世界的権威がその創造性を高く評価する移民国家理論の理想型が完成した。

なお、移民政策という国家政策の立案は私の独壇場であったので、権力闘争に巻き込まれることはなかった。私の立てた移民政策の提言に異論を唱える政治家は皆無で、あるべき移民国家の論理と倫理をつらぬくことができた。そのことの持つ意味は大きいと思う。

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