1. TOP
  2. 政策提言
  3. 改元の幕開きを移民開国で迎えたい

改元の幕開きを移民開国で迎えたい

10年ほど前、坂中移民政策論に関し、西洋の知識人から、「1000年以上も移民鎖国を続けてきた日本人が、今後50年間で1000万人もの移民を受け入れることができるのか」という質問を受けたことがある。

2016年を境に移民政策をめぐる世界の空気は一変した。世界の中の日本型移民国家ビジョンの立つ位置も変化した。今の私は、米国、フランスなどで人種差別・移民排斥・反イスラムの動きが強まるなか、日本独自の移民政策に基づく1000万人の移民受け入れを政府に迫っている。加えて、世界の知識人に向かって坂中移民国家ビジョンの正当性を訴えている。

英国、フランス、ドイツが移民を受け入れる余力を失いつつあるとともに、米国がメキシコとの国境に壁を築く状況は、日本が移民政策で世界をリードするまたとない機会である。1789年のフランス革命以後、世界に君臨してきた西洋文明の自由・平等・博愛の精神にかげりが見られる中、私たちは日本人のもてなしの心で異国の民を迎え入れ、世界の移民国家のモデル国として新世界文明の創造に貢献しようではないか。移民問題で西洋諸国の権威が地に落ちた状況を、日本が新進の移民国家として反転攻勢に転ずるチャンスととらえ、移民国家日本の存在感を世界の人々に示そうではないか。

国家公務員を辞した2005年、「人口崩壊に伴う国家非常事態を画期的な移民政策で乗り切る」という目標を立て、日本オリジナルの移民国家理論の立案を志した。実務家が中心の欧米の移民政策の専門家とは目的意識も発想もスケールも異なる。移民政策にかける情熱では大変な差がある。私は日本の再生をかけて決死の覚悟で国家の一大事に臨んだ。

それから13年の月日が経った今日、移民政策理論の奥義をきわめた人類共同体思想を世界の知識人に披露するところまできた。

世界に類のない高邁な移民政策を提唱しているだけでない。日本の国家目標として世界初の人類共同体社会の樹立を提案している。私たち日本人は、人種・民族・宗教の異なる人々が人類同胞として共に生きる共同体社会の創建をめざす。100年の歳月をかけて国の形を人類共同体国家につくりかえる壮大無比の計画である。

世界中の国々で人類共同体国家が形成される大望を抱く私の夢が尽きることはない。日本の精神文化の粋を集めた移民革命思想が世界の人々の心を惹きつけ、地球規模の人類共同体社会と世界平和体制が築かれる未来を見すえている。またそれは、日本の移民政策が世界のモデルとなって世界の移民政策の根本的変革を迫るものである。すなわち、欧米諸国で広がる移民排斥運動など人道主義に著しく反する現代世界のあり方を根底から問うものだ。

日本が独創的な移民国家ビジョンで世界の頂点をめざして歴史的な第一歩を踏み出せば、日本発の移民国家の理念と根本規範は世界各国の模範になるだろう。わけても国民の間に人種差別の感情と排他的な考えが厳然と存在する既存の移民国家の移民政策に深刻な影響が及ぶだろう。

2019年5月1日から元号が変わる。改元によって社会の空気も一新される。人口激減の袋小路から抜け出せなくて不安がつのる一方の若者たちは明るい明日が展望できる社会を待ち望んでいる。

若い力の胎動を感じる坂中英徳移民政策研究所長から安倍晋三内閣総理大臣へのたってのお願いがある。移民の受け入れに一縷の望みをかける若い世代の切実な思いにこたえるため、新時代を象徴する国の目標を「世界で一番移民に開かれた国」としていただきたい。政府は世界の選り抜きの人材を世界の模範となる移民政策で受け入れる。国民は人類同胞として地球市民として移民を暖かく迎える。