憂国の士に日本の未来を託す

坂中提案

若い人たちに夢を与える国家目標はあるのだろうか。人口崩壊時代を生きる日本の若者にぴったりの目標がある。世界をリードする移民国家の創立だ。

日本の未来を担う若者が移民と手を携えて人類未踏の多民族共生国家の創建に挑戦するのだ。これ以上に若い世代のチャレンジ精神をかり立てるものはない。またそれは、若い人たちの新しい生き方の発見への道でもある。若者が移民と真剣に向き合い、切磋琢磨し、移民との精神的葛藤を経験すれば、愛国のこころと博愛精神を持つ日本人と、大きな夢を抱いて日本に移住してきた移民が平和共存する社会が形成されるであろう。

私は法務省を退職した2005年から今日まで、日本と世界の若者をひきつける国家ビジョンを示したいとの思いから、日本独自の移民国家構想を練ってきた。坂中構想は、教育重視の移民政策に基づき、50年間で移民1000万人を計画的に入れるものだ。

この構想が実現すれば、若年層中心の1000万人の移民に税金、社会保険料の一部を負担してもらえるから、日本の若い世代の経済的負担はかなり軽減されるはずだ。

人口ピラミッドが崩壊する時代を生きる20代・30代にとって移民は同士だ。移民と力を合わせて日本の展望を切り拓いてほしい。

最近、私を訪ねてくる大学生、高校生、中学生が増えた。みなさん私の移民革命思想に共鳴して来られる。若い世代の力で世界に開かれた移民国家を創らなければ自分たちの明日はないと熱心に語る。国を思う心がある若い人たちの話を聞くと、日本の将来は心配ないとの安堵感がこみ上げてくる。

ここから話は核心に入る。私は2010年7月、急がないと日本が危ないと危機感を覚え、若者が移民政策について議論を戦わせる「移民国家創成塾」を開設した。これまで月一回のペースで約40回の勉強会を開催し、100人を超える移民政策の専門家を育てた。
 移民立国に自分たちの将来をかける若者がひざを突き合わせて議論している。幕末の吉田松陰が講義した松下村塾を彷彿させるものがある。命が尽きるまで移民国家創成塾を主宰し、移民政策の専門家を世に送り出す。

いよいよ坂中構想の運命の決まる日が来た。国家百年の計としての移民国家大計を打ち立てた。最後に残された仕事が、移民立国の歴史的決断を政府にお願いすることである。この大詰めの仕事は多くの人々の協力を得なければならない。国民の多数が移民の受け入れに賛成の世論を背景に政治の決断を迫り、国民主導の民主的な方法で移民革命を成し遂げたい。

移民国家の創建のような国家的大事業は、幕末の吉田松陰、高杉晋作、坂本龍馬らのごとき、20代の志士が決起しないと成功しない。

今こそ平成の若き志士たちが移民国家の建国に立ち上がる時だ。いつの世も、歴史を動かすのは決まって若い人たちだ。高い志と行動力のある若い精鋭たちが新国家建設の主役を演じ、政策通の私が後方から支える。それがあるべき姿だ。

私は移民政策を立案した責任者として象徴的な役割をはたす。移民革命の理論的指導者の責任を逃れるわけではない。仕事の力点を理論形成から啓発活動に移すということである。私が一歩引くことによって、坂中ドクトリンに共感する新進気鋭と各界の叡智が集結し、大構想の実現が早まることを期待する。

古希を迎え、天職を授かった晩年をどのように生きるかを思うようになった。後継者の育成を真剣に考えている。

移民国家論争の火蓋が切って落とされた今、重大局面での果敢な行動が求められる。老骨にむち打って移民国家への道をつくるため全力をあげる。それを速やかに実現し、できるだけ早く第一線から身を引き、後継者に日本の未来を託したい。

高い志を持つ国士にバトンをつなぐのが私の使命である。そのことについてはあまり心配していない。世界の史書をひもとけば明らかのように、民族の存亡がかかる時には世直しに立ち上がる人物が輩出し、その中から時代の要請にこたえる国民的リーダーが出現するものである。平成の日本にも救国の立役者が必ずや現れるだろう。

2015年6月22日、移民を求める世論の高まりに呼応して、「移民政策をすすめる会」(野田一夫会長、坂中英徳政策アドバイザー)が発足した。野田一夫日本総合研究所会長を長とする20名の精鋭が、各界の国民の移民賛成の声を結集し、移民立国の決断を内閣総理大臣にお願いするため立ち上がった。

この会の発会の日、野田一夫先生を囲んでわれわれは何をなすべきかについて自由闊達な討論を行った。老と壮からなる平成の侍が一丸となって国事に奔走する態勢が整った。私は移民政策のオピニオンリーダーの立場から、日本の宝である野田一夫先生を全面的に支える決意を表明した。

人口崩壊と社会消滅の危機が迫る祖国を救うべく集まった憂国の士が、移民国家への道は最終局面に入ったとの認識に立って、産業界、教育界、地方公共団体など諸団体の移民賛成の声を吸い上げ、掘り起こし、盛り上げ、それを政治に伝える役割をはたす。

移民政策をすすめる会の初会合では、5時間にわたって議論が戦わされた。この日88歳の誕生日を迎えられた野田一夫先生は最後まで熱い議論に参加され、大所高所から私たちを導き、私たちに檄を飛ばされた。日本を代表する知識人の謦咳に接した若い人たちはこの日を忘れないであろう。移民革命前夜の熱気があふれるなか、ひとり私は天の時と人の和を得た喜びにひたった。

「2015年6月22日」は、移民革命の志士たちが決起した日として日本の歴史に刻まれるだろう。

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