建設技術者の受け入れに技能実習制度を使うのは愚の骨頂

坂中提案

 東日本大震災の復興を急ぐとともに、2020年の東京オリンピックを無事開催するため、海外から多数の建設技術者を「移民」として受け入れる必要がある。

 現在、被災地では建設技術者の確保が大きな問題になっている。最大級のインフラ整備と住宅建設の完成には万単位の建設技術者が必要だ。しかし、大震災の前から公共事業の大幅削減で建設業の担い手の減少が続いており、国内で要員のすべてをまかなうのは不可能だ。加えて、東京五輪の開催で建設技術者の不足に拍車がかかる。

 さらに加えて、現在の日本は、世界に例を見ない少子高齢化と人口減が進行中である。被災地においてはもとより国内で建設技術者の確保が難しい状況は長期間にわたって続くから、海外に必要な人材を求めるしかない。

 その場合、被災地の住民と外国人が共生する社会をつくる見地からも、優秀な人材を数多く確保する観点からも、建設関係の外国人材を「建設移民」として処遇することが前提条件だ。むろん、建設会社は建設移民を正社員で雇用し、日本人との同一労働・同一賃金を保障する。国は日本語教育や職業訓練など移民の定住支援に力を入れる。移民が希望すればできるだけ早く日本国籍を与える。

 建設技術者の受け入れに技能実習制度を使うのは愚の骨頂だ。国際社会において日本版奴隷制度というイメージが定着している技能実習制度の拡充で建設労働者を入れるという過ちを犯せば、日本の外国人処遇の歴史に汚点を残す。今こそ政府は、正しい外国人受け入れ制度の典型とされる「移民の受け入れ」を決断すべだ。すなわち、「建設技術」の在留資格を新設するとともに、原則として入国後5年で「永住」を許可する方針を決める。

 建設技術者を正当な待遇で受け入れれば、意気に感じた建設移民は被災地の再建と東京五輪のインフラ整備に尽力してくれるであろう。建設作業に真摯に取り組む移民の姿を見た日本人は彼らに感謝するであろう。そのような理にかなった移民政策をとることによって日本人と外国人の関係は劇的に改善する。

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