大震災の被災地の再建に建設移民を

坂中提案

 私は本年2月11日、大震災と大津波の爪痕が生々しく残る陸前高田、気仙沼の現状を見て、復興が思ったより進んでいないと感じた。再建への力強い動きが見られなかった。地元の人に話を聞くと、建設技術者の不足が復興の遅れの一番の理由ということであった。

 東日本大震災直後の2011年3月22日、私は移民政策研究所のホームぺージに『新しい国づくりに建設移民を」という表題の文書を発表した。

 〈東日本大震災で廃墟と化した市町村の復興計画を立てるに当たって建設技術者の確保が大きな問題になるだろう。公共事業の大幅減により建設業の担い手の減少が続いており、国内で要員をすべてまかなうのは不可能な状況にある。不足する人材は海外に頼らざるを得まい。日本史上で最大級のインフラ整備と住宅建設の完成には万単位の外国人技術者が必要になると予想される。〉

 〈新しい国づくりに協力してもらう助っ人として外国人を招く以上、安定した法的地位と職業を保障しなければならない。私は社会の一員すなわち「建設移民」として遇するのが筋だと考える。むろん建設会社は正社員で雇用し、日本人との同一労働・同一賃金を保障する。国は日本語教育、職業訓練など定住支援に力を入れる。移民が希望すればできるだけ早く日本国籍も与える。〉

 大震災から2年3月が過ぎたが、私の考えは震災直後と何も変わっていない。60代・70代が主力の日本人だけで地場産業と地域社会を立て直すのは絶望的だ。

 現在の日本は、世界に例を見ない少子高齢化と人口減が進行中である。被災地においてはもとより国内で建設技術者の確保が難しいのなら、海外に必要な人材を求めるしかない。その場合、被災地の住民との共生につながる「移民」の地位で迎えるべきだ。

 被災地の復興のスピードアップを図るため、外国人の正しい受け入れ方法とされる「建設移民」での受け入れを、今こそ政府が決断する時だ。

 海外から建設技術者を礼にかなった待遇で受け入れれば、意気に感じた建設移民は被災地の再建のため尽力してくれるだろう。復興作業に真摯に取り組む移民の姿を見た被災地の人々は移民に感謝するにちがいない。

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