大潟村農業特区から農業再生プロジェクトが始動

坂中提案

農山村の消失を最小限にとどめるには、大規模な移民の受け入れが避けて通れない。日本の農業を弱体化させた根本原因が農業人口の激減にあることに鑑みると、新規就業者を増やす効果がある移民政策と一体となった農業革命が必要である。そこで、農業革命の第一歩として、10年間で5万人の農業移民を受け入れ、約40万へクタールに及ぶ耕作放棄地を耕地によみがえらせる「農業移民特区」の構想を提案する。

地方自治体からの申請に基づき、内閣が耕作放棄地を中心とする一定地域を「農業移民特区」に指定する。同時に、同特区において移民の雇用を認める「農業生産法人」(特定農業生産者)を指名する。特定農業生産者は資本力と経営力のある一般企業の中から選ぶ。一方、日本での農林業を志望する世界の若者を日本の農業高校などに入れて教育する。国は、農業移民の教育費にあてるため、農林中央金庫が出資する「農業移民育成基金」を創設する。

特定農業生産者は、日本の農業専門学校を卒業した外国人を正社員で雇用する。日本人との同一労働・同一賃金が原則である。入管法上の外国人の地位は、学生の間は「留学」とし、就職が決まった後は「農業技術」(新設)とする。その後、速やかに「永住者」の地位を与える。すなわち、移民として、地域社会の一員として、農業技術の継承者として、農林業の起死回生のため働いてもらう。

政府は2016年10月、後継者不足が深刻化している秋田県大潟村の農業を救うため、外国から農業分野の専門職を受け入れる農業特区構想を打ち出した。政府が発表した文書に、「これらの課題解決のために、『外国人』の受入れと活用。ただし、『技能実習』では対応できない、『農業分野の専門人材』の就労を可能に!」と特記された。これにより、悪名高い技能実習制度に代わって、事実上の「農業移民特区制度」が発足する。この大潟村農業特区のアイディアは農業再生の切り札として全国に広がる。そのうち技能実習制度はお役御免になるだろう。

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