外国人技能実習制度の廃止を決断する時

坂中提案

最近、人手不足が深刻な建設技術者や介護福祉士を受け入れる手段として、政府部内で外国人技能実習制度を拡充する動きが見られる。私は2007年3月14日の読売新聞の「論点」に、「外国人実習生―正社員で雇用 定住促進」と題する論文を投稿した。

7年6月後の今日もその基本的な考えに変わりない。国際社会から奴隷制度と批判されている制度の廃止を求める世論の高まりを期待し、以下にその核心部分を再録する。

〈技能実習生は企業などの実習実施機関との間で雇用計画を結び、平均13万円の基本給を得ている。だが、内外の関係機関から、雇用保険料、家賃、光熱水料のほか、事前研修費、管理費など様々な名目で差し引かれ、手元に残るのはその3分の1程度だという。〉

〈深夜労働に従事させたり、危険な業務に就かせたりすることも行われている。〉

〈これでは、外国人に技術、技能、知識を身に付けさせることよりも、労働力不足を補うために制度を利用していると言われても仕方ないだろう。〉

〈人口減少社会に入った日本は、今後、相当数の外国人の受け入れを迫られる。適正な外国人受け入れ制度を作ることが国民的な課題となるだろう。〉

〈人口増時代の日本の外国人政策は「定住防止型」であった。そのころは、外国人の定住を制限する政策にも一理あった。日本人の雇用に配慮する必要があったからだ。〉

〈現在の技能実習制度は人口増が続く時代の産物だ。3年間で外国人の滞在が打ち切られる。受け入れ機関が日本語や技術技能を教え、一人前に育てたころに「国に帰りなさい」というようなものだ。それでは、受け入れた企業も親身になって技術や技能を指導する気にもなれないだろう。外国人労働者の使い捨てに走る雇用主も出てきかねない。〉

〈人口減時代の日本が採るべき外国人政策は「定住促進型」である。そこで提案だが、技能実習制度の目的を従来の「国際技術移転型」から「国内人材確保型」へ転換し、「人口減」社会にふさわしい制度に改めてはどうか。すなわち、「人材育成」と「定住促進」を車の両輪にして、人口減が続く時代に適用する制度としてよみがえらせる構想だ。

〈まず、官民で「外国人職業訓練学校」を作る。そこでは、日本で技術、技能などを習得しようとする外国人に対して、3年間かけて日本語をはじめ専門的技術などを教える。厚生労働省が所管する職業訓練施設を外国人職業訓練学校に転用することを考えても良いだろう。〉

〈次に、産業現場で1年間実務研修を実施する。一連の研修過程を終えた外国人が日本で働くことを希望し、研修を実施した企業などがその外国人を正社員で雇用することを条件に、外国人の就労を認め、安定した法的地位を与えるという枠組みだ。〉

〈こうした新しい制度にすれば、外国人を送り出す側の国も歓迎するだろう。日本で正当な待遇を受けている熟練労働者からは仕送りを期待できる。一方、人材不足が深刻化する産業界にとってもありがたい話ではないか。必要な熟練労働者を確保できるからだ。〉

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