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外国人住民基本台帳制度の意義

2012年7月9日、外国人登録制度が廃止された。それに代わって、外国人住民に係る基本台帳制度が発足した。1970年代から在日韓国・朝鮮人問題と取り組んできた私にとって、在日コリアンに対する在留管理の象徴であった「外国人登録法」の廃止は感慨深いものがある。

この日をもって、戦後日本の外国人問題の象徴であった「在日韓国・朝鮮人」の時代は終わった。日本の外国人問題の主役は「在日コリアン」から「移民」に交代した。

外国人住民基本台帳制度は、外国人を地域社会の構成員(住民)として正当に位置づけるものであって、新たな外国人行政の幕開けを告げるものである。

日本で生活する外国人のうち中長期在留者と特別永住者は、居住地の市区町村で住民票が作成される。外国人住民の住民票には、氏名、生年月日、男女の別、住所などのほか、外国人住民に特有の事項として、国籍・地域、在留資格、在留期間などが記載される。住民として登録された外国人は、日本人と同様に、市区町村の窓口で住民票の写しの交付を受けることができる。

新制度の導入により、在日外国人は、住民票の写しを関係機関に提出し、教育、医療、福祉、住宅など各種行政サービスが受けられる。移民時代を迎えると、移民を社会の一員として処遇するこの制度は、移民の社会適応を進める推進力になると評価する。

外国人住民基本台帳制度は、それによって移民政策の展望が開けるだけでなく、日本人と同じ地域の住民であるという意識を移民の心にインプットする効果も大きいと考えている。

ここで、移民時代を先取りしたこの制度は、法務省、総務省の行政主導で創設されたものであることを確認しておきたい。画期的な制度の趣旨を生かし、地域社会において移民との共生関係を築くのは日本人住民の責任である。