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坂中論文がなかりせば日韓関係はどうなっていたか

「今後の出入国管理行政のあり方について」(1975年執筆。1977年6月改訂版発表。)のように賛否両論の激論が戦わされ、非難罵倒にさらされた論文はあまり例がないのかもしれない。悪名の高い論文であったから発表後42年がたった今も「坂中論文」の略称が広く使われているのだと思う。

坂中論文と一蓮托生の人生を歩んだ私は、移民政策をめぐって国民的議論が熱を帯びるようになった2019年のいま現在、坂中論文の先見性が評価される時代がきたとしみじみ思う。

それにしても、今日ただいま日本と韓国の関係は戦後最悪の状況にある。隣国との冷え切った関係を見るにつけても、在日韓国人問題を少数民族問題として日韓間の紛争の種にしてはならないという信念に基づき、法的地位問題や民族差別問題などの諸懸案の解決に尽力し、この問題の平和的解決への道筋をつけたことは正解であった思う。

在日コリアン社会において反坂中論文の空気が充満する中、孤軍奮闘の闘いを強いられたが、私がこの問題とねばり強く取り組んでいなければ日韓関係が今以上の泥沼に陥っていたかもしれないと思うと身の縮む思いがする。