坂中英徳は不可解な日本人か?

坂中提案

欧米の知識人にとって坂中英徳は「不可解な日本人」にうつるようだ。閉鎖的な日本社会から世界的なスケールで発想する日本人が現れたことを理解できないのかもしれない。世界の先頭を切って人類共同体社会=地球共同体社会の創造という世界平和構想を提唱しているが、わたし自身はアニミズムの世界観を持つ縄文人の末裔だと思っている。移民政策の立案一路の生き方を貫いたことが取り柄の日本人である。ただ、今後、海外の知識人の主たる関心が、坂中移民政策論から「坂中英徳とは何者か」に移るような気がしないでもない。

2015年の夏、安倍ジャーナリスト・フェローの米国人フリーランスライターが日本の移民政策の動向に関する取材で訪ねてきた。ジェシカ・ワイスバーグ氏は2時間の討論の終わりに、英語論文『Japan as a Nation for Immigrants』を読んで感動したと述べて、「日本に坂中さんのような人間が存在するのは不思議」「人類学的・世界史的視点から雄大な移民国家構想を提案しているが、このような論文を書いた秘訣は」「坂中さんが最も影響を受けた学者は」など、日本の移民革命を先導する坂中英徳という人間に関する質問を連発してきた。そういうことについてはあまり考えたことがなかったので答に窮したが、とっさの思いつきで、以下のように答えてその場を切り抜けた。

〈私は『今後の出入国管理行政のあり方について』『入管戦記』『人口崩壊と移民革命』『新版日本型移民国家への道』などの著書で世界観や行動美学を披露している。たとえば、タブーへの挑戦と有言実行を信条とするアンタッチャブルな官僚の軌跡を語っている。移民政策を論じた主要著書を読んでいただければ、日本的思考と日本人の美意識の持ち主であることをわかってもらえると思う。

私は日本人の中で特異な人種に属するが、多くの通り名をいただいた。「反骨の官僚」「ミスター入管」「救世主」「移民革命の先導者」「ミスターイミグレーション」「移民政策のオピニオンリーダー」などの通称をつけられた。これらの呼び名は内外の知識人の坂中評価の表れといえないこともない。これらのニックネームから坂中英徳がどういう人間なのかを知るヒントが得られるかもしれない。〉

以上の説明でアメリカ人記者は坂中英徳のひととなりをある程度つかんだ様子だった。ちなみに、影響を受けた学者として、ダーウィン、マックス・ウェ―バー、ケインズ、レヴィストロース、梅棹忠夫の名前を挙げた。

京都の美をこよなく愛する彼女は、謹呈した『入管戦記』と『新版日本型移民国家への道』をがんばって読みますと言っていた。西洋人が日本の精神文化の申し子である革命家をどのように描くのか興味がある。

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