坂中英徳はどんな人間なのか?

坂中提案

2014年の春、私の移民国家構想を評価する在日アメリカ人から、「坂中さんのような日本人ばなれした大構想を提案する日本人がいるのは不思議。どんな人間なのかに興味がある」といわれた。その時、「そんなことを聞かれても自分ではわからない。そもそも『坂中英徳は何者なのか』について深く考えたこともない」と答えた。

私自身はどこにでもいる保守穏健の日本人だと思っている。だが、世間はそうは見てくれないようだ。「革命家」「危険な思想家」「異端者」のレッテルを貼られる一方で、1970年代の坂中論文から2010年代の移民国家構想まで、やることなすことすべてが批判・罵倒の対象になった。右翼からも左翼からも、保守派からも過激派からも、これほど非難・中傷を浴び続けた日本人は珍しいのかもしれない。因果な性分なのか、不徳のいたすところなのか。いずれにせよ、42年間ずっと個人攻撃にさらされた。よく気が狂わなかったものだと思う。

そんな中、世界のジャーナリストと知識人はいつも私の味方であった。坂中英徳の著作を評価し、私に生きる勇気を与えてくれた。

さて、私は1975年以後、移民政策の専門家の道を歩み、『今後の出入国管理行政のあり方について』『入管戦記』『新版日本型移民国家への道』などの著書の中で世界観や行動美学をオープンにしている。これほど自分をさらけ出した日本人も少ないのかもしれない。たとえば、『入管戦記』においてタブーへの挑戦と有言実行を旨とする行政官の軌跡を赤裸々に語っている。移民政策を論じた主要著書を読んでいただければ、日本的思考と日本人の美意識の持ち主であることを理解していただけると思う。

また、世界の知識人から「ミスターイミグレーション」「救世主」「移民革命家」などの形容詞をつけられた。これらの異名は、世界的・長期的視野に立って奇想天外のアイディアを繰り出す日本人の人となりを表現していると言えなくもない。

« »