地球共同体の夢を語る日本人

坂中提案

 私が唱える移民国家構想は、人類の同一性を強調し、人類が一つになる「地球共同体」の理念を謳っている。世界の手本となる移民国家の創建と地球的規模での人類共同体の創成をめざすものだ。世界の諸民族の融和ひいては戦争のない世界を視野に入れた平和哲学でもある。そのアイディアは世界の識者に衝撃を与えたようだ。

 2010年12月、移民政策研究の世界的権威から「あなたの論文は私が今まで読んだ移民政策分野のどの論文よりも新鮮で創造力の豊かなものです。なぜなら、移民受け入れと社会統合という両立しがたい難問を解決しようとしているからです」(デメトリー・G・パパデメテリウ米国移民政策研究所長)と評価された。

 2014年4月、南カリフォルニア大学日本宗教・文化研究センター主催の「日本の移民政策に関するシンポジュウム」において披露した「地球共同体論」は世界の移民政策の専門家の好評を得た。その基調講演において日本人の夢と抱負を語った。

〈日本の移民政策は、人口危機に瀕した日本を再生させる国家政策にとどまらない。地球上の諸民族が和の心で平和共存する世界を希求する世界政策でもある。日本の移民革命思想は、日本のみならず世界各国に根本的変革を迫り、すべての民族の共存共栄と世界平和に貢献し、国境を越えて人類の一体化が進むグローバル時代に生きる地球人への最高の贈物になるだろう。〉

 それはまだ夢のまた夢の段階にある。だが、日本の伝統的精神風土から生まれた世界平和思想を発表したことの持つ意味は大きいと思う。

 日本人は古来、人間はもとより動物、植物、鉱物など自然界に存在するあらゆる物と心を通わせ、自然に親しみ、そこに神が宿ると信じている。自然と自己を同一視する万物平等思想(アニミズムの自然観)を抱いている。それは人類を含む万物の共生につながる自然哲学である。万物の霊長の思い上がりを戒める日本人の叡智である。

 八百万の神々を受け入れ、地球上に存在する人種・民族に甲乙はないと考える日本人は、努力すれば、世界の先頭を切って人類共同体社会を実現できるのではないかと考えている。

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