地球上に純粋民族も純粋文化も存在しない

坂中提案

世界各国から永住目的で来日する外国人材を移民として正しく迎える国にならなければ日本の明日はない。人口氷河期に入った日本は、縄文時代から日本列島に住んでいる日本だけで国家・社会・経済を運営する時代は過ぎ去った。移民=永住者の助けを借りなければ国家の諸制度を維持管理できない時代に入った。

移民反対派の人たちは、移民が入ってくると、日本民族と日本文化の純粋性が損なわれると主張するが、そういう考えはまちがっている。日本民族も日本文化も純粋培養されたものではなく、外国から入った人や物がまじりあって形成されたものである。

日本文化がこれだけ多くの外国人観光客をひきつけるのは、日本の文化が世界各国の文化を相当程度取り入れたハイブリッド文化だからである。たとえば、東大寺の正倉院宝物を見ればそのことは明らかである。752年に建てられた奈良の大仏は当時の世界の文化の粋を集め、インド僧の指導の下、インド、中国などから来た技術者の協力を得て建造されたものである。

言語、料理、宗教、思想、美意識、社会規範などの日本文化は世界のどの民族も理解可能で普遍的なものである。仮に全然まじりけのない純粋文化だったとしたら、外国人観光客はそんな日本文化に共感を覚えないであろう。

異なる民族の血がまったく混じっていない純血民族は世界中どこをさがしてもいない。人類史はヒトの移住と移民の歴史であった。一方で、他の民族への好奇心が強いヒトは異なる民族間で結婚と混血を繰り返し、地球上のいたるところに生息地を広げ、多様な雑種民族に分かれた。

今日、地球上に存在する民族はすべて移民の末裔である。日本では1000年以上も移民鎖国状態が続いたので日本人は比較的純血度の高い民族であるが、それでも太古の昔から今日まで世界各地から日本列島に移住してきた多様な民族の血がはいりこんだ雑種民族であることに変わりない。

 

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