国粋主義者たちが街宣車に乗ってやってきた

坂中提案

2017年10月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、米国、英国、フランス、ドイツなど欧米社会で異なる人種・宗教に対する排外主義的な考えや、反移民の極右勢力が広がりを見せている。しかし、反移民を叫ぶ極右政党や人種差別主義者がわが物顔で闊歩し、反人道主義の考えが世界を席巻する時代にしてはならないという私の決意は微動もしない。

2008年6月、私が原案づくりに関わり、自民党外国人材交流推進議員連盟がまとめた「日本型移民政策の提言」が発表された。「移民50年間1000万人」を柱とする革命的な移民国家構想である。移民鎖国派、排外主義者らが黙っているはずがない。「売国奴」、「反日」などのスローガンを掲げ、移民政策の旗手を務める坂中英徳への個人攻撃が勃発した。同年7月には、国粋主義団体の街宣車に乗った数十人の移民鎖国派グループが、私が主催するシンポジュウム会場に押しかけてきた。私は国粋主義者たちの抗議行動に一歩も引かず、言論で堂々と渡り合った。その後も移民政策に関する集会を開くと、10人前後の国粋主義者たちがシュプレヒコールを行うためやってきた。数人の警察官が駆けつけて追い払った。

2014年2月に移民国家構想が政治的課題にのぼると、ネットの世界で一握りの排外主義者・国粋主義者・ヘイトスピーチグループによる坂中罵倒の言葉が激しくなった。移民革命の先導者という悪名がとどろいているので、彼らの攻撃の的になるのはいたしかたない。さすがにこの年になると非難・罵倒のかたまりの文章を読む気力は失せたが、どんな個人攻撃に対しても耐え抜く精神力は健在である。

幸いにして、国粋主義者たちが主張するエスノセントリズムの考えが国民の間に広がる気配は見れれない。そういう極端な考えは日本人の和の精神と合わないのだろう。前述したようにフランスやドイツでは、反移民を掲げる極右政党が国民の一定の支持を集めているが、国民の支持がほとんど期待できない日本の反移民勢力は鳴りを潜めているように見受けられる。欧米諸国の反移民・人種差別の排外的運動に追随する動きも見られない。それどころか、日本国民の約80%がトランプ米大統領の移民に対する強硬措置に反対している(本年2月のNHKの世論調査)。

脅迫・非難・罵倒が坂中英徳に集中するのは正論を吐いた人間の宿命と受け止める。私に対する攻撃が激しさを増せば増すほど、国家・国民のために正しいことをしているのだと自分に言い聞かせ、初志を貫く決意を新たにする。

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