国民全員で移民国家建設の偉業を成し遂げよう

坂中提案

司馬遼太郎は『竜馬がゆく』のなかで、坂本竜馬に、次のように言わせている。
〈仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はたれでもできる。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない。〉

まったく同感である。私のライフワークの移民国家の建設は八分のあたりまできたと思う。人口問題の重大性を指摘し、その解決策としての移民国家理論を完成させた。この4月に出た『日本型移民国家の創造』(東信堂)である。歴史的な仕事とめぐりあい、困難な問題の解決策を示すことができた。

あとは世論と政治を動かす仕事が残っている。この二分の仕事は国民全員で成し遂げてほしい。全国民の力を結集して移民国家を樹立すれば、それは平成の日本人が主導的役割を果たした革命的偉業として日本の歴史に特筆されるであろう。

私は日本型移民国家への道をつけた移民政策のパイオニアとして象徴的な役割をはたす。引退するわけではない。仕事の力点を移民政策の立案から啓発活動に移すということである。第一線から離れ、移民国家の誕生と成長を近くで見守るという立場に移行する。

私が一歩引くことによって移民政策を推進する新しいエネルギーが国民のあいだに生まれ、世紀の大事業の完成が早まることが期待できる。それだけではない。国民は燃えるような精神の高揚を感じることができる。歴史的な仕事に関与した達成感も得られる。さらに新国家建設に必要な人材が輩出する。

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