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国民が移民開国を求めて立ち上がる日

国民の間で移民国家議論が活発化しているにもかかわらず、与野党の政治家の大半が移民受け入れ問題を政治課題として取り上げることに抵抗している。20代の若者を中心に移民賛成の意見が強まっているのに、政党が移民政策の推進を公約に掲げる動きもない。国家主権の行使の最たるものである移民政策に政治生命をかける政治家は一人もいない。私は移民国家百年の計に一家言のある政治家に出会ったことがない。日本の政治家はなぜこれほどまで移民政策議論を忌避するのか。

私が移民政策に理解のある政治家と議論した感想を言えば、政治家は国粋主義団体による街宣活動を極度に恐れているということである。移民の受け入れのような危険なことにはかかわらないという暗黙の了解が政界で成立しているのではないかと推察する。

ところが、何が幸いするかわからない。骨のある政治家が不在で、国家の一大事に手をこまねいている無責任政治の極みが、予期せぬ結果をもたらした。移民政策で政治責任を果たす気骨のない政治家に代わって、元国家公務員が移民革命に乗り出し、あれよあれよという間に移民政策研究の集大成の書をあらわすところまできた。最新作の『日本型移民政策論集成』(移民政策研究所、2019年)と題する著作である。

どうして私が日本の歴史を塗り替える一大構想を立てることができたのか。「国家的危機を見て見ぬふりはできない」と義憤にかられたからだ。民間の移民政策研究所の所長として、国家公務員時代にやり残した仕事に専念する道を選び、「なせば成る」をモットーとする生き方を貫いたからだ。

移民政策研究は牛の歩みであったが、継続は力なりだ。たとえば、この6年間、約2000本の移民政策論文をネット上に投稿した効果は絶大で、14年前の移民反対一色から今日の移民賛成が51%のところまで時代が動いた。国民が移民開国を求めて立ち上がる日は近いと思う。