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国の将来を思う憂国の徒

 私が提唱する移民国家ビジョンに関し、次のような感想が寄せられている。「千年来の移民鎖国からの歴史的転換」(日本文明史家)。「憲法改正以上の難事業」(都議会議員)。「壮大なユートピア計画」(全国紙の記者)。「世界の救世主」(在日パキスタン人)。「人類共同体思想は人類史を画する提言」(在日韓国人)。

 内外の知識人から望外の評価をいただいた以上、評価に値する業績を残す責任があると思っている。だが大風呂敷を広げたのでその全部を実現するのは不可能と早々に白旗を上げている。人類共同体社会の実現など人類未到の壮挙の達成は22世紀の地球市民に引き継ぐことを許していただきたい。

 日本の歴史をひもとくと、私たちは改革を重ねて生き延びるのは得意だが、根本的な変革を好まないところがある。私たち日本人は「明治維新」と呼称し、大日本帝国憲法の「改正」にこだわる民族である。

 私たちは国の断絶を嫌い、国の連続性を尊ぶ民族なのだろう。私は「緊急時に和の心で国民が一つにまとまる」国柄を誇りに思うことでは誰にも負けない。日本民族は本物の革命をやらなかったかもしれないが、先人の叡智と努力のおかげで日本文明は地球文明のなかで確固たる地位を占めている。

 過去のことはさておき、今日の日本は人口ピラミッドの崩壊という史上最大の危機に直面している。2005年3月、国家公務員生活を終えるにあたって私は、世界の範となる移民政策を打ち立てるという雄大な国家目標を立てた。その旨を『入管戦記』(講談社、2005年3月刊)の中で宣言した。「移民2000万人構想」である。

 移民政策研究所所長時代の私は、執筆活動を通して日本を移民国家へ導くオピニオンリーダーの大役をつとめている。一握りの反移民分子からは売国奴呼ばわりされているが、世界の知識人の中には「日本の救世主」「ミスターイミグレーション」と評価するむきもある。極右からは移民革命の先頭に立つ反日思想の持ち主と見なされているが、自分では憂国の情の熱い愛国者と思っている。私の移民政策論文の根底には、移民を温かく迎える博愛の心と燃えるような大和魂が仲良く共存しているのではないか。移民政策論文を書く時には国の将来への思いと世界の人々の幸せを心に刻んで筆を執っている。