北朝鮮残留日本人・日本人配偶者の帰国について(メディアへの回答要旨)

メディア 坂中提案

最近、北朝鮮にいる残留日本人・日本人配偶者の帰国問題についてメディアの取材が
増えた。以下は、その時の私の回答要旨である。

(1)本年5月の日朝協議の合意で調査対象者が広がった。この動きをどう見るか。

2012年11月のモンゴルのウランバートルでの日朝協議における合意よりも、今回は「行方不明者」が加わるなど調査対象者がかなり広がっている。特に、調査の結果日本人であることが判明した場合の「帰国」が明記されていることに大きな意義がある。北朝鮮政府の拉致問題解決への積極的姿勢がうかがえる。

(2)北朝鮮残留日本人をめぐる日本政府のこれまでの対応の問題点

日本への帰国を待ち望んでいた北朝鮮残留日本人を見殺しにした日本政府の責任は重大である。せめての罪滅ぼしとして、北朝鮮に生存するすべての日本人を救出しなければならない。

(3)なぜ、在北朝鮮日本人の帰国は、1956年に36人が帰ってきた以外に実現することはなかったのか。

日本政府が日本人の命を守るという国の第一の使命を忘却してきたからだ。北朝鮮からの引き揚げがかなわなかった日本人の救出に冷淡な日本国民の薄情さに怒りを覚える。歴代の内閣が粘り強く北朝鮮に日本人の帰国を要求していたならば多数の日本人を無念の死に追いやることはなかった。多数の日本人が生きて日本の土を踏むことができたはずだ。戦後の日本が犯した最大の過ちと考える。

(4)今回、北朝鮮はなぜ坂中さんが訴えてきたことに乗ってきたのか。

1975年から在日朝鮮人の法的地位問題などと取り組んできた唯一の日本人であることを北朝鮮政府が評価したのだろう。長年の実績がものをいって、私が2009年から日本人妻の帰国、北朝鮮残留邦人の帰国を北朝鮮に求めると、北朝鮮政府からすぐに前向きの反応があった。この5年、北朝鮮残留日本人、日本人妻、拉致被害者の一体解決を主張してきたが、そのアイディアに北朝鮮政府が乗り、最終的に日本政府がそれに応じたということである。

(5)在北朝鮮日本人の帰国支援にただ一人取り組んでこられたが、具体的に何をしたのか。

たとえば、北朝鮮からの日本人の帰国が近いと予想して、2012年1月、「日本人妻等定住支援センター」を設立した。支援の対象者は「日本人妻」と「北朝鮮残留日本人」である。日本人妻および北朝鮮残留日本人が帰国をはたした暁には、祖国で天寿を全うしていただくため、生活相談やカウンセリング、日本語教育、家族との再会に向けた支援などを行う。

(6)現在、北朝鮮からどのくらいの日本人が日本に帰国し、どのくらいの日本人がまだ北朝鮮に残っているのか。

日本人妻(6人)、日本人妻の子を中心に数十人の日本人が日本に帰ってきている。北朝鮮に生活している日本人の数は不明である。生きている日本人の多くは60以上の高齢者だと推察する。なお、1959年から84年にかけて北朝鮮への帰還事業で在日朝鮮人の夫と海を渡った日本人妻(約1800人)おびその子(約5000人)は、日本国籍保有者に限っても、約6800人にのぼる。

(7)今後、国は何をなすべきか。国民に何を望むか。

多数の日本人が祖国に帰ってくるから、国の責任で受け入れ態勢に万全を期する必要がある。海外から帰ってきた同胞にどのような態度で接するかで日本人の度量が問われる。暖かい心で迎えてほしい。

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