1. TOP
  2. 政策提言
  3. 北朝鮮帰国者は難民条約上の難民に該当する

北朝鮮帰国者は難民条約上の難民に該当する

「難民」という言葉は頻繁に使われているが、その内容が一義的に定まっている概念とは言えない。政治難民、経済難民という用語があるかと思えば、避難民、流民、亡命者といった言葉も広く用いられている。

日本の法律に定義する「難民」とは、難民条約第1条の規定または難民条約議定書第1条」の規定により難民条約の適用を受ける難民をいい、一般的な広い意味の難民と区別するため「条約難民」と呼ばれる。

条約難民の概念の中核部分は、難民条約に規定されている「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」を有することである。「迫害」とは「通常人において受忍し得ない苦痛をもたらす攻撃ないし圧迫であって、生命または身体の自由の侵害または抑圧を意味する」と解されている。

北朝鮮帰国者たちは、北朝鮮政府から「資本主義の害毒を持ちこむ者」として「反革命要素=敵対分子」の階層・身分に指定され、それを理由に「生命または身体の自由の侵害」を受けたから、「特定の社会的集団の構成員であること」を理由に政治的な迫害を受けた人たちである。したがって難民条約上の難民に該当することは明々白々である。

さらに言えば、北朝鮮帰国者は、難民条約が規定する迫害の範疇にはとうていおさまらない弾圧を受けた人たちである。日本からの帰国者であること、もしくは日本人であることを理由に監視対象とされ、多数の人々が強制収容所で獄死し、あるいは極刑に処せられた。そのうえ、60年も軟禁状態に置かれ、日本に残った家族から金銭を強要するための「人質」とされた。北朝鮮政府が帰国者に加えた圧政の数々は、難民条約が想定する範囲をはるかに超えた国家犯罪そのものであった。

日本国民には、北朝鮮帰国者の問題を難民問題・人道移民問題と認識し、帰国者全員を保護する覚悟が求められる。日本が差別で追いやり、祖国北朝鮮でむごい迫害を受け、いっそう傷ついて日本に助けを求めるひとたち。そのような差別と迫害の連続に見舞われた帰国者を人道移民として温かく迎えいれれば、日本は人道移民大国として世界に輝く存在になるであろう。