北朝鮮から帰還する日本人を温かく迎えてほしい

坂中提案

まさにいま現在、強固なる北朝鮮包囲網が形成される中、北朝鮮政府は2017年4月、北朝鮮在住の日本人妻の団体が結成されたことを日本のメディアに明らかにし、5人の日本人妻の生存を世界に披露した。その席で熊本県出身の85歳の日本人妻が「日本に帰りたい」と語った。これは、北朝鮮政府が日本政府との対話を模索する動きと見ることができる。もしかすると、北朝鮮情勢の急変によって、拉致問題、北朝鮮日本人妻問題、北朝鮮残留日本人問題が解決の方向に急展開するかもしれない。

さて、残留日本人および日本人配偶者の北朝鮮からの帰国については、国民が帰国を求める声を上げたわけではない。政府が邦人保護で積極的に動いたわけでもない。しかし突然、2014年5月29日の日朝政府間合意で両者の帰国の道が開かれた。北朝鮮政府は、「日本人の遺骨や墓地、残留日本人、日本人配偶者、拉致被害者、行方不明者を含む全ての日本人に対する包括的調査を全面的に同時並行して行う」と発表した。

私は2009年12月以降、「北朝鮮残留日本人、日本人妻、そして拉致被害者を一人残らず救わなければならない」と、日本政府にいい続けてきた。実は私が火付け役なのだが、なぜか北朝鮮政府が私の話に乗り、前述の歴史的な合意に至った。

拉致問題に詳しい元拉致担当大臣から、「なぜ北朝鮮は坂中さんの言うことを何でも聞くのですか」と聞かれた。「確かなことは分からないが、強いて言うならば、在日朝鮮人の法的地位の安定措置など在日朝鮮人問題での実績を北朝鮮政府が評価したのではないか」と私は答えた。

私は2012年1月、北朝鮮からの日本人妻らの帰国に備え、移民政策研究所内に「日本人妻等定住支援センター」を設立した。支援の対象者は「日本人妻」(その子を含む)と「北朝鮮残留日本人」(残留孤児を含む)である。

心ある日本人にお願いがある。苛酷な国から帰ってくる同胞を温かく迎えてほしい。私は日本人妻らの帰国を歓迎する国民世論を形成するため先頭に立つ所存である。

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