労働組合の移民アレルギーがなくなる日

坂中提案

8年前、自治労の機関誌である『月刊自治研』(2009年1月号)が「わがまちの人口」と題した特集を組んだことがある。その一つとして、私が持論を展開した『日本型移民国家の提案』という表題の小論文が掲載された。自治研の問題意識は次のようなものだった。

「人口減少社会が目前に迫る。少子高齢化に加え、世帯の変容や社会不安も進む中、自治体は、地域の未来像どう描くべきか。政策転換の舵切りに向けたシナリオを模索する。」

同誌の編集部は、自治労の関係者にはなじみのない「坂中英徳」のことを、次のように紹介した。

「1970年に法務省へ入省。75年に入国管理局論文募集で『今後の出入国管理行政のあり方について』が優秀作となり、その後『坂中論文』と呼ばれる政策提言を法制化。東京入国管理局長などを歴任し『ミスター入管』の異名を持つ。」

私の立てた移民国家構想は労働組合に一石を投じた可能性がある。人口崩壊の危機がさらに深まった2017年現在。第一次産業地帯の自治体の多くが消失の危機に見舞われている。地方公務員を束ねている自治労が移民賛成の立場を鮮明にし、労働組合の移民アレルギーがなくなる時代は近いと予感する。なぜなら、地域住民がいなくなれば地方公務員がお役御免になるのは火を見るより明らかであるからだ。

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