労働組合と人口と移民

坂中提案

2009年1月、全日本自治団体労働組合(自治労)の機関誌『月刊自治研』(2009年1月号)は、「人口減少社会が目前に迫る。少子高齢化に加え、世帯の変容や社会不安も進む中、自治体は、地域の未来像をどう描くべきか。政策転換の舵切りに向けたシナリオを模索する」という立場から、特集「わがまちの人口」を組んだ。その一篇として『日本型移民国家の提案』の表題の小論が載った。

同誌は私の小論文のポイントを次のように紹介した。「超少子化と超高齢化という閉塞状況を打開するために、50年間で1000万人の移民受け入れを提案したい―― 。外国人を育て、安定した職を提供し、永住者として受け入れる。ミスター入管の描く日本型移民国家像を展望する」。

地方自治体職員を束ねる労働組合からの執筆依頼を受け、日本型移民政策の提言を地方公務員に知ってもらういい機会だと考え、力を入れて書いた。かつて在日朝鮮人問題で坂中批判の先頭に立った自治労の幹部は坂中移民政策論に接してその大変な変わりように驚いたのではないか。この論文は労働組合に一石を投じた可能性がある。

以下は、『月刊自治研』で語った日本型移民国家論の冒頭部分、「移民立国で活路を開く」である。

〈日本は未体験の人口減少期に入り、人口危機の重圧が社会全体を覆っている。特に、このままでは負担が重くなる一方の少子化世代(0歳から30歳まで)の未来に暗雲が垂れ込めている。
 この、何とも言えぬ日本社会の閉塞状況を打開し、明るい未来への展望を開くために何をなすべきか。それは思い切って国を開き、50年間で1000万人の移民を迎えることだ。日本の中に世界の「人材」を取り込むものだ。超少子化と超高齢化の人口問題に「移民立国」で立ち向かうもので、日本の未来を担う少子化世代の心を惹き付ける国家ビジョンではないか。〉

続いて、「日本型移民政策の骨格」「多民族共生社会を目指す」「50年後の移民国家日本」の見出しで議論をすすめた。そして、50年後の日本の姿について、「移民とその子孫は、自分たちを暖かく受け入れてくれた日本政府に感謝している。国政選挙では、多くが50年前に移民開国への扉を開いた政党に投票する。米国のオバマ次期大統領のように、日本の政界にも移民から救世主になる偉材が出ている」と述べて論を結んだ。

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