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内閣総理大臣が英断を下す時が来た

 
私が提案する移民国家構想に対して違和感を覚えた日本人も少なくないと思われる。しかし、理論的反対論も感情的反発も散発的で、大きな動きにはなっていない。また、坂中理論をくつがえすような反論も、移民政策にとってかわる国家政策も、私は寡聞にして知らない。当初、各方面から 批判・非難が殺到すると覚悟していたが、そういう目にあうことはなさそうだ。欧米の移民国家で は移民の大量流入に対する恐怖心を抱く国民が急増しているが、人口崩壊の脅威が迫る日本では国民的規模での移民反対運動が起きる心配はないと考えている。
 
最近の移民政策をめぐる世論の動向等から判断すると、政府が移民開国を決断する時が来たと言える。その根拠として、たとえば、次のような点が挙げられる。①20代の若者の50%が移民受け入れに賛成の読売新聞の世論調査。②坂中英徳移民政策研究所長が内閣官房で「日本型移民国家への道」のタイトルで講演したこと。③超党派の国会議員が移民問題に取り組む政界の最近の動き。 ④日本型移民政策のエッセンスを世界に紹介した英国エコノミスト誌の移民特集記事。⑤人口崩壊の危機が深まる日本の延命策は大胆な移民政策をとること以外にないという考えが国民の間に浸透していること。

日本の存亡がかかる移民国家構想が最終段階に入り、いよいよ雌雄を決する時が来たと武者震いする。心身ともに元気で活躍できる時間は少ないと自覚している。力の限りを尽くして一世一代の 大業に挑む。

話は自民党政治家と私の蜜月時代の2008年6月にさかのぼる。そのとき「日本型移民政策の提言」をまとめ、一躍脚光を浴びた自民党外国人材交流推進議員連盟の遺伝子を引き継ぐ政治家が自民党内に多数いると思われる。だからこそ自民党内から反移民の目だった動きが出てこないのだと私は考えている。政府が移民国家の議論に決着をつける局面では、先の政策提言の作成にかかわった私と自民党幹部との同志的関係が復活すると見ている。自民党から声がかかれば、移民法制の整備などで協力する心の準備はできている。
 
この場を借りて、自民党議連の歴史的な政策提言から11年目を迎えた2019年1月現在の日本の移民国家ビジョンの進捗状況その他について述べておきたい。

①初めは坂中英徳の個人的見解にすぎなかった日本型移民国家構想が、移民国家のあるべき姿を求めて理論の深化につとめた努力が実り、日本のみならず世界の移民政策をリードする移民国家理論へと理論的進化を遂げたこと。②坂中構想は国の内外の支持の高まりを背景に政府が緊急に 取り上げるべき国民的課題になったこと。③人口秩序の崩壊による日本滅亡の危機への対応を急ぐ必要があること。④超少子化による人手不足の深刻化で中小企業の多くが存続の危機にあるこ と。⑤移民政策をとらない場合の日本経済はマイナス成長が常態化するおそれがあること。⑥日本の将来に不安を感じている若い世代を中心に移民賛成の声が急速に高まっていること。⑦2019年4月1日、移民国家体制の基盤整備としての法務省出入国在留管理庁が発足すること。

以上に述べた諸点を踏まえて言えば、日本の歴史を画する移民政策をとることを公約に掲げて国民の信を問うたうえで、国民の総意に基づき内閣総理大臣が移民開国の英断を下す環境が整ったというのが、私の時代認識である。