1. TOP
  2. 政策提言
  3. 令和の若者の最高最善の目標

令和の若者の最高最善の目標

人口秩序が全面崩壊する絶望の時代が刻々迫る中、若い世代を元気にする目標がある。夢も希望もない未来が待っている若者のチャレンジ精神をかきたてるものがある。それは理想的な移民社会を築くことだ。日本文化に憧れる世界の若者と日本文化を愛する日本の若者が協力して和風の移民社会をつくるのだ。

日本の未来を担う若い世代が移民と手を携えて、世界の先頭を切って人類共同体社会の創成に挑む。これは閉塞感にさいなまれている令和の若者の最高最善の目標ではないか。

それは、日本と世界の若い世代が新しい生き方を模索する道でもある。日本の若者と世界の若者が真摯な態度で向き合えば、心の許容量が大きい日本人と、日本人が大好きな移民の心が一つになって平和・友好・共生の関係を築けるだろう。

最近、私を訪ねてくる大学生、高校生、中学生がとみに増えた。20代のエリート官僚の卵や若手のジャーナリストも、移民政策の勉強のために来る。彼ら、彼女らは、事前に移民政策研究所のホームページで坂中オピニオンや電子書籍を読み、日本型移民国家ビジョンのエッセンスを理解している。「若い世代の力を結集して人類共同体社会をつくらないと私たちの明日はない」「困難な課題であるからこそ挑戦のしがいがある」「日本型移民政策の提言に賛成。坂中移民政策研究所所長の志を引き継ぐ」など抱負を述べる。

日本の若者の夢がかなえられる時代が視界に入ったと感じる。2015年4月の『朝日新聞』の世論調査によると、移民賛成の国民が51%に達した。地域社会の消滅に強い危機感を持つ国民が移民政策を支持する立場を鮮明にした。2018年10月の国会で移民政策をとるか否かの議論が始まった。これをもって1200年来の移民鎖国のタブーが解かれた。

移民国家の建国に生涯をかける私に残された最後のミッションが、移民立国の決断を政府に迫ることだ。死を意識する年齢になった最近は、これが最後の作品になるかもしれないと思って、若者の決起を促す論文を書いている。

この大詰めの仕事は多数の国民の協力を得て成し遂げたい。特に、日本の将来を担う若い人たちの力を借りたい。若者を中心に国民の圧倒的多数が移民受け入れに賛成というところまで世論を盛り上げ、平和的・民主的な方法で移民国家を打ち立てたいと、老革命家は意気込んでいる。

国民が新しい国づくりに積極的にかかわることなしに、すなわち歴史の必然や外圧によってなし崩し的に移民社会へ移行することになれば、現世の人にも後世の人にも悔いが残る。それでは国民が燃えるような精神の高揚を感じることもない。歴史的な仕事に参画したという達成感も得られない。移民国家の建設に必要なエネルギーもパワーも生まれない。

移民国家を創るという千年に一回の大舞台で主導的役割を果たすのは国民だ。なかんずく年金制度も社会保障制度も持続不能な時代を生きる10代・20代の若い人たちだ。人口秩序を正すのに必要な移民政策をとることの賛否について議論を尽くし、日本人の心がこもった移民社会の創造に若い世代の全員が参加し、人類共同体社会の創成を究極の目標に掲げて前進してほしい。人類史的課題にチャレンジする日本の若者は、身近な存在の移民への思いやりの心と人類愛をかねそなえた地球市民に成長するだろう。

若い人たちの情熱が移民政策に消極的な政治の壁を突き破り、国の形を移民国家へ変えるのだ。同時に、移民鎖国時代に形成された内向き志向を改め、全人類に開かれたオープンマインドで移民と向き合う。そこから若者たちが主役を演ずる壮大な歴史ドラマが始まる。

20代の若者の50%が移民政策に賛成という『読売新聞』(2015年8月26日)の世論調査が示すとおり、若い世代の間に広がりつつある寛容の心は世界のトップレベルにあると言っても過言ではない。近時、欧米の若者の一部に人種差別と反移民感情の高まりが見られるが、健全な外国人観を持つ日本の若者は移民を人類同胞として温かく迎えるにちがいない。

ここで私の夢をひとつ言わせてもらいたい。「地球市民に必要な教養と寛容の心を備えた近未来の日本人は、日本列島全体を人類共同体社会に作り替え、同じ地球市民の移民の末裔たちと良好な関係を築き、平和に暮らしている」。