介護福祉士を技能実習生で入れるのは反対

坂中提案

政府は本年3月、外国人介護労働者を外国人技能実習制度の拡充で受け入れることを決めた。そして今の国会で関係改正法律案を成立させる方針だ。

だが私は法務省入国管理局に勤務していた時代から一貫して、非人道的で外国人搾取のかたまりの技能実習制度の廃止を主張してきた。

この制度の下では、技能実習生の送り出し国、国際研修協力機構等の管理団体、さらには農家、水産業者、零細企業の経営者などの雇用主が「家賃」「食費」「管理費」などにかこつけて寄ってたかって搾取する構造になっているので、実習生の手元に残る賃金は極めて少なく、「時給三百円程度」とまで言われている惨状だ。

最近、がんじがらめに縛る雇用主の下から逃れ、不法残留する外国人が急増しているが、それもむべなるかなと言わざるを得ない。

すでに世界から「強制労働に近い状態」(米国政府)、「奴隷・人身売買の状態になっている」(国連)などの厳しい批判を受けている制度を拡充し、海外から介護福祉士を入れる政府の姿勢はまったく理解できない。

深刻化する人手不足を補う一時しのぎの措置ということなのかもしれないが、それが払う代償は余りにも大きい。かつ、技能実習生の滞在期間は最長5年に限定されるから、介護福祉業界の抱える恒久的人材不足の問題解決には何の役にも立たない。

仮にそれを強行すれば、国際社会から「外国人介護福祉士を奴隷として酷使する国」と批判される。のみならず、そのような問題の多い制度に飛びついた介護福祉業界の命取りにつながる。

その悪名が国の内外に広まり、若い世代から見放されたこの業界は人手不足が加速し、人材難で倒産企業が続出することになると明言しておく。

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