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人類決起の時のバイブル――『JAPAN AS AN IMMIGRATION NATION』

  「夢を描かなければ実は結ばない。大きな夢を描けば大きな花が咲く」。これは自分を激励するために作った箴言である。私の場合、年をとるにつれて夢がどんどんふくらんでいった。そのため夢をつかまえるのがいっそう困難になった。

  そんな私は至福の時を過ごしてきたと言えるのだろうか。じつは必ずしもそうとは言えないのだ。この15年間、夢の重圧に押しつぶされそうになり、夢を追い求める人生にピリオドを打ちたいと思う時がしばしばあった。理想に立ちはだかる現実と妥協すればどれほど気が楽になるかという危険な考えが頭をもたげる時もあった。たとえば、国民の評判が悪い「移民」という言葉を極力使わないようにしようと思い詰めた時もあった。

  しかし、この5年は打って変わって今が勝負の時だと判断し、力強い論文を連発している。坂中英徳の移民政策理論の有終の美を飾る著作が、2020年2月に出た英文図書――『JAPAN AS AN IMMIGRATION NATION』である。

  欧米の主要移民国家が移民・難民に対して一斉に門戸を閉じる方向に向かう中、この英文著作は日本のみならず世界の移民政策をリードする気概を持って書いた。身も心も完全燃焼し、人類共同体思想を中核概念とする移民国家の理想像を描いた。私の夢がつまった畢生の大作である。

  そのかいがあって、日本の若い世代の多くが移民の受け入れに賛意を表するところまできた。世界の若者が反移民に走る中、誠意を持って移民を迎える用意がある日本の若者を誇りに思う。
  
  遠からず若者が中心となって運営される移民国家ニッポンが誕生するだろう。50年後の日本は移民国家の頂点に上り詰めているだろう。

  私の夢を一つ言わせてもらえば、夢から解放された人生を味わってみたい。今日までひたすら夢を追いかけてきたが、やり残した夢の実現は将来世代にゆだねる。

  私の究極の夢である人類共同体社会の創造は、世界の恒久平和を願う世界の人々の悲願である。未来永劫、世界の知性がチャレンジするだろう。願わくは唯一の戦争被爆国の日本の若者がその先頭集団を走ってほしい。人類の全滅をもたらしかねない大量核兵器の存在が現実の脅威となる時代に入り、人類共同体社会の成否に人類の生死がかかることになった。それを坂中英徳の一場の夢物語にすることは人類の良心が許さないだろう。

  極東の列島国に本拠を置く移民政策研究所の所長から人類総員へ衷心よりのお願いがある。悠久の人類史で蓄えた各民族の英知を結集し、あまたの戦争の歴史から真摯に学び、かつ「人類は同種で同胞」の原点に立ち返り、人類総がかりで人類共同体社会を創る夢を現実のものにしていただきたい。

  人類決起の時のバイブルが前記『JAPAN AS AN IMMIGRATION NATION』である。