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人類共同体論序説

「坂中英徳 マイ・ストーリー」(2020年5月、移民政策研究所)の「序論」において45年の論文人生すなわち日本移民政策史を語った。その要点は以下のとおり。

(1)1200年も移民鎖国の境遇に安住してきた日本人の心を移民歓迎の心に切り替るのに困難を極めたこと。(2)日本の精神風土に根ざした移民国家をつくる構想力を持つ日本人は坂中英徳以外にいなかったこと。(3)移民政策のことしか頭にない単細胞の人間が深く掘り下げた理論を構築したこと。(4)政策論文を書くことの責任の重さが身に染みてわかったこと。(5)ひとりの民間人が背負った責任でこれ以上の重いものはないこと。(6)移民鎖国主義という強固なる日本精神をくつがえしたこと。(7)人類史を画する人類共同体ビジョンを打ち立てたこと。(8)日本型移民国家ビジョンの持つ独創性を世界の知性が評価したこと。(9)世界の移民政策の歴史に輝く英文作品:「Japan as an Immigration Nation」を出版したこと。(10)独創的な論文に始まり独創的な論文で終わる人生を全うしたこと。(11)日本人の誰もが実現は不可能と冷ややかな態度で見ていた壮挙に実現の可能性が出てきたこと。(12)政治家が職責を果たさない中、国民の総意ではなく坂中英徳の独断専行で令和革命を成し遂げることになれば日本の将来に禍根を残すこと。

論文人生も45年を経過すると新しい政策提言も新機軸も出てこないと諦めの境地に入った。わけてもこの5年間はマンネリズムの極みの文章を綴っている。しかし、そのような論文は一顧の価値もないのかというとそうとも言い切れないと思う。私の著作物に長年親しんだ親友たちは「最近の論文は自信に満ちている。論理も明快で説得力が増した」と語る。そのあたりのことは自分ではわからないが、移民政策の真実をきわめることをこころざした坂中英徳が移民政策の立案の一点にテーマをしぼり、移民政策理論の奥義に迫ったから理路整然とした論文になったのだろう。

人類共同体社会の創成は人類の悲願である。人類がコロナ問題を克服後の世界において時を置かずに日本発の人類共同体の理念に関し世界各国の知識人の間で人類の生き残りをかけた議論が展開されることを心より願う。人類のDNAの中に「災いを転じて福となす」の克己心が刻まれているから今日の人類の栄華があると思っている。他方でおごりをきわめた人類が落日を迎える日が刻々近づいていると恐怖心に襲われる時もある。

ここで私の夢をひとつ言わせてもらいたい。「移民が主役に躍り出る22世紀の地球社会において、21世紀に人類を奈落の底に沈めたコロナウイルスの惨禍を目の当たりにした坂中英徳が唱える人類共同体ドクトリンが、地球市民が共感する普遍的理念として輝いているだろう」