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人類共同体社会の神髄に迫る

 日本の移民政策の根本理念である人類共同体思想はどこから生まれたのだろうか。日本の移民政策の神髄に迫る。

 世界の移民政策の専門家は人類の多様性を強調し、多文化共生を目標にかかげる。いっぽう私は人類の同一性を強調し、人種・民族・宗教のちがいをこえて人類が一つになる人類共同体の理念をうたう。

 日本の移民国家ビジョンは、(1)人類共同体社会の創設、(2)地球規模の人類共同体社会の創成、(3)恒久的世界平和体制の構築の三本柱からなる。22世紀の新世界秩序の創造を視野に入れた雄大無比の未来構想である。

 その根底には日本人のアニミズム的世界観がある。それは1万5000年も太平の世が続いたとされる縄文時代(新石器時代)に起源を有し、現代の日本人の心にも深く刻まれている「自然との一体感」と「和の精神」から生まれたものである。

 人類は多様な人種と民族と国民に分かれているが、そのおおもとは一つだ。人類は生物分類学上ホモ・サピエンスという一つの種に属し、根の部分の文化と価値観は共通するところが大部分だ。人種や民族が異なっても、人類はヒトとしてのアイデンティティを持ち、相互にコミュニケーションし、相互に共感し、相互に理解できる存在である。

 私はやおよろずの神々と共生し平和に暮らした縄文人の思考を受け継ぎ、「人類は一つ。人種や民族の違いはあっても同じ人間。文化や価値観の違いはあってもごくわずか」という普遍的な人類像に基づき全人類が和の心で一つにまとまる人類共同体の実現を目標にかかげる。

 それは高邁な理想論なのかもしれないが、リアリストの私は実現の可能性はあると考えている。生物学的には同類である人類の本質に照らすと、和の心がつまった日本人が人類共同体の創造を国家目標に定めても決して夢物語ではない。100年単位の時間がかかっても縄文人の末裔たちが総力を挙げて取り組めば夢がかなうと確信する。