人類共同体思想が世界を変える

私は2014年4月、南カルフォルニア大学日本宗教・文化研究センター主催の「日本の移民政策に関するシンポジウム」において基調講演を行なった。
「Japan as a Nation for Immigrants :A Proposal for a Global Community of Humankind」のタイトルでスピーチした。約40名の研究者が熱心に聞いておられた。多くの質問が寄せられた。私の熱い思いは世界の知識人に伝わったと思う。
主催者のダンカン・ウィリアムズ南カリフォルニア大学准教授(日本仏教学の権威)は、「坂中さんの移民政策を世界に紹介する『小さな企画』です」といわれた。日本人の血筋を引くダンカンさんは謙虚な人だが、私にとってそれは「人類共同体思想を世界に披露する最高の舞台であり、『大きな企画』であった」と感謝している。何よりも日本語のスピーチ原稿「日本の移民国家ビジョン――人類共同体の創成に挑む」を格調高い英文にしていただいた。
そのときすばらしい英語に訳された人類共同体思想すなわち「人種・民族・宗教の違いを超えて人類が一つになる移民国家の理念」が世界に羽ばたき、世界の移民政策に深刻な影響が及ぶと直観した。