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人類共同体の創成に挑む

移民恐怖症が世界中に広がる恐れすらある今日、日本の移民政策は日本の人口危機を救うことにとどまらず、世界の人道危機を救う役割も果たす必要もあると、私は深く胸に刻んでいる。世界各地の移民希望者が絶望の淵にあるこの機を逃さず日本が移民国家の名乗りを上げれば、和と情の心のある日本人が世界的な移民・難民危機を救ったと世界史に輝くであろう。

わたしは、移民問題の解決で世界的使命が日本人に託されるのは天命と厳粛に受け止め、日本人の感性豊かな心から生まれた人類共同体社会の理念を世界の良心に訴えてきた

2014年4月、南カルフォルニア大学日本宗教・文化研究センター主催の「日本の移民政策に関するシンポジウム」において基調講演を行なった。

「Japan as a Nation for Immigrants :A Proposal for a Global Community of Humankind」のタイトルでスピーチした。メインテーマの人類共同体思想の要旨は以下の通り。

「日本人の宗教心の根底には八百万(やおよろず)の神々が鎮座している。一方で、仏教やキリスト教など異国の神々を進んで受け入れてきた」

「和の心も寛容の心も健在である。もてなしの心ですべての民族を等しく遇する日本人なら、世界の諸民族が一つになる理想郷を築けるだろうと、想像をたくましくする」

「35年間の外国人行政の経験と、退職後移民政策研究所所長として多様な民族と向き合った体験から、世界の主要民族のうち人類共同体の創成の偉業を最初に成し遂げる可能性のある民族は、万物平等思想の持ち主の『日本人』ではないかと考えている」

「日本の移民革命思想は、日本のみならず世界各国に根本的変革を迫り、すべての民族の共存共栄と世界平和に貢献し、国境を越えて人類の一体化が進む地球時代に生きる地球市民への最高の贈り物になるだろう」

約40名の研究者が熱心に耳を傾けていた。会場から多くの質問が寄せられた。人類共同体社会の創成に挑む日本人の熱い思いは世界の知識人の胸に突き刺さったとの感触を得た。

主催者のダンカン・ウィリアムズ南カリフォルニア大学准教授(日本仏教学の権威)は、「坂中さんの移民政策を世界に紹介する『小さな企画』です」と言われた。日本生まれで日本育ちのダンカン氏は謙虚な人だが、私にとってそれは人類共同体思想を世界の知識人に披露する最高の舞台であり、「大きな企画」であったと感謝している。何よりも、日本語のスピーチ原稿:「日本の移民国家ビジョン――人類共同体の創成に挑む」を格調高い英文にしていただいた。

そのとき、すばらしい英語に訳された人類共同体思想=「人種・民族・宗教の違いを超えて人類が一つになる移民国家の理念」が世界に飛躍し、世界の移民政策にも影響が及ぶと予感した。最近、この論文を読んだ海外の友人たちから、「感動した。全面的に賛成」など称賛の言葉が寄せられている。西洋人にはない新鮮な発想に驚いたのだろう。