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人道難民の受け入れ拡大を

日本は難民の受け入れ数が極端に少ない「難民鎖国」の国だと、国際社会から批判されてきた。その背景事情の一つとして、人口増加時代の日本は永住目的の外国人をほとんど受け入れない「移民鎖国」の国であったことが挙げられる。世界の「難民大国」はすべて「移民大国」の国である。また、難民認定率が極度に低い理由として、入管の役人が難民条約を杓子定規に解釈し、律儀に運用してきたことが挙げられる。

しかし、人口減少時代に入った日本は、大量の移民を受け入れざるを得ない。その場合、難民条約に該当する条約難民と人道上の配慮を要する定住難民を移民枠の一つに位置づけることを提案する。移民政策の一環として、「条約難民」に加えて「定住難民」を、移民として政策的に受け入れるのである。

かねてより私は、人口崩壊の危機を乗り切るため、向こう50年間で移民1000万人の受け入れを提唱している。その場合、そのうちの50万人は人道移民(条約難民および定住難民)の枠とすべきと主張している。そうしないと、「難民に冷たい国」という日本イメージを払拭できないからだ。

私は2015年9月、シリア難民の受け入れについて、子供、女性を中心に年間1000人の受け入れを提言した。すると難民政策で政治家が動いた。難民鎖国に風穴が開いた。

2016年1月、参議院本会議における山口那津男公明党委員長の「シリア難民の子供を日本で教育するため留学生として受け入れてはどうか」というタイムリーな質問に対し、安倍晋三首相は「将来、その国を担う子供を受け入れる可能性について検討していく」と答えた。

結局、同年5月、政府は5年間で150人のシリア難民の子を留学生として受け入れることを決定した。数は物足りないが、この難民受け入れ制度は日本型移民政策の成功第一号と評価できる。ドイツ、フランスなどヨーロッパの移民大国がシリア難民の扉を閉ざす方向にある中、この画期的な制度の大いなる発展を期待する。これを機に、難民条約上の難民に該当しない者であっても人道的配慮の必要が認められる「人道難民」については、これまで以上に弾力的に入国・在留を認めることにしてもらいたい。