人材育成型移民政策で高度人材に育てる

坂中提案

今後50年で1000万人の移民を受け入れるとしよう。その場合、世界の高度人材が日本に来るという幻想は捨てなければならない。この25年の入管政策の実績を見れば、それが失敗に終わったことは明らかだ。

仮に高度人材が来るとしてもその数は微々たるものである。人口崩壊に起因した国家危機を救う政策としては「焼石に水」といわなければならない。

移民時代の日本は、専門知識や高度技術を有する外国人は米国、英国などの英語圏の国をめざし、漢字圏の日本には来ないと割り切り、日本型移民政策で勝負する。

日本の大学などで志のある外国人に日本語、日本文化、先端技術をきちんと教え、就職支援も積極的に行い、時間をかけて有能な人材に育てる。これを国家的事業と位置づけ、すべての教育機関の教職員を動員して外国人教育に当たり、粒ぞろいの人材を社会に送り出す。

もう一つ、高度人材の受け入れを考える場合の懸念材料がある。そもそも日本の大学、シンクタンク、民間の研究機関に世界人材を招聘しようという意欲があるのかという点である。世界各国から優秀な人材を招き、互いに切磋琢磨して研究業績をあげるメンタリティーに欠ける面があると私の目にはうつる。なかんずく学者の世界には、よそ者を入れないムラ社会の伝統が色濃く残っているのではないか。

まずは大学に新風を吹き込む。日本人が大学教授のポストをほぼ独占している鎖国的な大学教授体制を改める。日本の大学教育および留学生教育のレベルアップを図るとともに、研究水準を高めるため、10年計画で外国籍の教授が全教授の10%を占める陣容へ移行する。

世界の一流の研究者に日本の大学を開放するのである。これを行えば、大学が受け皿となって、日本の長年の悲願であった世界の最高級の知識人を数多く獲得できる。

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