人口崩壊の迫る日本は成長戦略を立てられるか

坂中提案

平成の日本は、人口体系の崩壊の迫る国家存亡の危機に直面している。日本人が消えてゆく人口崩壊社会。それは日本の崩壊である。日本の歴史上これ以上の危機はない。

政府の責任で人口崩壊の流れを直ちに止めなければならない。政府は日本の最重要課題の解決に役立つすべての政策を動員すべきだ。その政策の中心に移民政策がある。

2112年1月に発表された政府の将来人口推計は、2010年から2060年にかけて少子高齢化がさらに加速すると推定している。2060年の年少人口(14歳以下)は50年間で半減して791万人になる。一方、老年人口(65歳以上)は18%増えて3464万人に達する。

移民政策不在のままで人口が推移すると、2060年の日本は4・4人の老人に対して子供が1人という「子供が街にいない社会」になる。人類がいまだかつて経験したことのない「夢も希望もない世界」だ。日本列島のあちこちでゴーストタウン現象が見られるだろう。

出生率の低下と人口の高齢化は、若くて生産性の高い就業者が次々と消えてゆくことを意味する。今すぐ政府が人口崩壊をとめる有効適切な手を打たなければ、遠からず生産、消費、税収、財政、年金、社会保障、国民生活のすべてが立ちゆかなくなる。

人口ピラミッドが崩壊へ向かう時代の移民政策はすぐれて経済政策であると認識している。そのような立場から、人口崩壊が経済に与える打撃をできるだけ少なくおさえるため、向こう50年間で1000万人の移民受け入れを提案する。

将来の国民である1000万人の移民が加わる移民国家へ転換すれば、衣食住、教育、雇用、金融、情報、観光などの分野で新たな市場と需要が創出され、少なくとも移民人口分の経済成長が見込める。海外の投資家からの直接投資も増えるだろう。

生産人口の減少が続く状況下において、はたしてアベノミクスは日本経済を成長軌道に乗せることができるのだろうか。それは、生産人口と消費人口を増やすのに効果がある移民政策を安倍政権が本格的に打ち出せるかどうかにかかっている。

たとえば、新しい成長産業と期待されているが、就業者の確保が困難な状況が続き、成長戦略を満足に描けないでいる介護や農業の分野についても、海外から必要な人材を供給する移民政策によって活路が開けるだろう。

2020年の東京オリンピックの開催が決まったタイミングで政府が「移民開国宣言」を行えば、日本の移民政策への転換を待望する国際社会は究極の日本開国と評価し、海外の投資家はなだれを打って日本買いに転じるだろう。日本経済は力強さを取り戻し、世界経済の発展に貢献できるだろう。

6月26日、ウォール・ストリート・ジャーナル(アジア版)のオピニオン欄に「アベノミクスに欠けている矢ー移民政策」というタイトルの論説記事が載った。正鵠を射た記事である。

〈安倍首相が名祖の日本経済再生プログラムで象徴的な改革を1つ挙げるとするならば、移民政策だろう。〉

〈新たな消費者や労働者を輸入する形になる移民は、企業による国内の設備投資を刺激する上できわめて重要である。納税人口の基盤が拡大すれば、日本政府の財政状況も改善される。移民には国外からの直接投資を推進し、生産性を高める効果もある。〉

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