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人口危機は人類共同体を創る好機

およそ人間は差し迫った必要性を感じなければ、民族や文化の異なる人たちと親しく交わろうとはしないものである。気心の知れた者同士で付き合っているほうが、よほど気が楽であるからだ。

そういう意味では、未曽有の人口危機の到来は、国民が強い危機感を持って異なる民族との共生を考え、世界中から多彩な顔ぶれが日本に集う、エキサイティングな移民社会を創る好機と言える。わたしは、新しい日本文明が、世界のどの民族も成し得なかった「人類共同体の理想」を実現し、世界文明のひとつの極として屹立する時代を思い描いている。

私たち日本人は、移民の力を借りて一大危機を乗り切るとともに、日本民族を筆頭にすべての民族がうちとけて一つになる「民族の融和」に挑む。日本列島を人類共同体社会の理想郷に作り替える気宇壮大な計画だ。世界の青少年が日本への移住を夢見る移民社会のユートピアの実現をめざす。

目標とするのは、おのおの民族が存在感を持ち、しかも日本国民としての一体感をいだく社会である。日本人のほか、モンゴル系日本人、フィリピン系日本人、アメリカ系日本人、アフリカ系日本人など様々な系統の民族出身者が日本国民として一つにまとまる社会だ。

諸民族が団結して一つの国民になるためには、日本に住むすべての民族が「人類は一つである。それぞれの民族は人種の違いはあっても同じ人間である。文化の違いはあっても大同小異である」という民族学の常識を共有することが必須条件だ。

そのとき日本人を先祖とする人々に求められるのは、日本人としての民族的アイデンティティを持ち、かつ異なる民族を対等の存在と認めることである。日本人の根本精神を堅持するとともに、少数民族の固有文化を尊重しなければならない。

世界の民族が移住したいと思う国は、日本人が日本人としての誇りを持ち、外国人が外国人としての誇りを持てる社会だ。

日本社会には1000万人の移民を受け入れるための精神的基盤も潜在能力も十分あると認識している。

日本には多様な価値観や存在を受け入れる「寛容」の遺伝子が脈々と受け継がれ、日本社会には「共生」や「人の和」を創り出す豊かな精神的風土が育まれてきた。

たとえば宗教を見ても、神道、仏教、キリスト教などよろずの神々が共存している。結婚についても偏見にとらわれない傾向が見られ、人種や民族や国籍の異なる人と結ばれる日本人が顕著に増えている。

行政官として様々の国籍の外国人と接してきた経験から、日本という小宇宙には外国人を「日本化」させる不思議な力があると感じている。

知り合いの在日外国人は、信義を守る日本人、様々の宗教を受け入れる日本人、礼儀正しい日本人に敬愛の念を持っている。四季があって変化に富む自然環境、美しい田園風景、穏やかな社会風土、安全な社会を気に入っている。日本料理も日本文化も魅力的だと異口同音に語る。

移民の二世以降の世代が日本の小中学校で勉強し、出身国や民族による差別のない社会で成長していけば、生まれ育った日本に愛着を覚え、日本社会と一体化すると見ている。