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世界の移民政策の頂点に立つ論文『Japan as an Immigration Nation』

冒頭、新型コロナウイルスの問題に端を発し、世界が激動の時代に突入した2020年3月、地球市民の一人として真情を吐露しておきたい。世界各国の政府が人の往来を固く閉ざすという前代未聞の事態が世界中に広がる中、日本が深遠な移民国家理論に基づき世界の頂点をめざして歴史的な第一歩を踏み出せば、日本型移民国家の基本理念と根本規範は世界各国の模範になると確信する。とりわけ国民の間に人種差別の感情と排他的な考えが厳然と存在する伝統的移民国家に深刻な影響が及ぶと考えている。

ここで強調しておきたい。現在、欧米諸国は移民政策のあり方をめぐって苦悩しているが、欧米社会の持つ民度の高さと文明の底力をもってすれば正しい移民政策の方向に向かうと考えている。坂中英徳のラジカルな移民政策理論の発展を温かく見守ってくれた欧米の知識人の友情に感謝する。長年にわたり激励の言葉をかけてくれた西洋の知性に対して恩返しする必要があると深く胸に刻んでいる。

長年の夢がかなった。米国の出版社から坂中英徳著の英文図書が出版された。「Japan as an Immigration Nation:Demographic Change, Economic Necessity, and the Human Community Concept」(LEXINGTON BOOKS、2020年2月)と題する移民政策論文集である。

日本型移民政策の全体像、人類共同体思想のエッセンス、日本革命と世界革命の必然性、日本の移民国家ビジョンの持つ世界的意義について論じた。さらには、日本及び世界の移民政策の歴史的転換を世界の人々に迫った。人類共同体の理念に基づき世界の人道危機を救うことを究極の目標にすえた雄編である。

これは日本型移民政策の世界的展開を象徴する書籍と位置づけられる。新型コロナウイルス問題の深刻化による国境封鎖並びに人種差別意識の顕在化など世界の国際法秩序が崩壊の危機にあるタイミングで出た英語版の移民国家ビジョンは世界史的意義を有すると考えている。それだけではない。それは、日本生まれの人類共同体構想の持つ普遍性と世界性を世界の知性が認めたことを意味する。すなわち「日本の移民政策」から「世界の移民政策」への理論的発展である。

この本は、世界の知識人から衝撃を持って迎えられるだろう。世界各国の移民政策に深刻な影響が及ぶだろう。さらにそれは強風の「外圧」に発達し、世界の評価に追随する癖のある日本政府が移民開国を決断する決定打となるだろう。

初めに移民政策ありきで、政策を国民に理解してもらうことを願って論文を量産してきた。いつの日か政策が実現すると信じて論文を書き続けた。45年の論文人生において、世界最高峰の移民国家像の探究につとめたこと、一つ一つ論文を積み上げたこと、有終の美を成す英語版論文集の完成を見たこと、これ以上の実り多い人生はないのかもしれない。