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世界の神々が祝福する移民国家

命知らずの革命家が今日まで命をつないで「天運」も「天職」も存在すると考えるようになった。合理主義の権化の私が、なぜそのような神がかり的な考えを抱くようになったのか。

日本の国のあり方と人類社会のあり方を根本から改める国民的・世界的・人類史的課題に挑戦しているからである。私一人の力ではいかんともしがたい難問と取り組んでいるからである。そして、やるべきことをすべてやった後の結果は天運にゆだねるしかないという境地に達した。

そんな中、移民国家の立国に希望が持てる新局面を迎え、激動の人生を客観的に見る余裕が生まれたのだろう。以下において天運と天職に恵まれた職業人生を述懐する。

いつも天が味方して新しい歴史をつくる仕事にめぐりあった。世界の識者が評価する移民国家理論の金字塔を打ち立てた。平安時代から続く移民鎖国の強固なる壁を突破し、移民国家への道を開いた。それに呼応するかのように日本の若者が移民賛成の声を上げた。それを受けて政府が移民立国の方向に針路をとった。

お天道様が見ているので人の道に外れたことはできないと心に刻み、私なりに正しいと思う生き方をつらぬいた。当面する最重要課題と取り組み、的を射た政策論文を書いて問題解決の道筋を示した。

無人の荒野を独り行くがごとく、好きなことを好きなようにやらせてもらった。国家の命運がかかる課題と正面から向き合い、時宜にかなった論文を発表した。それは時代を先取りした国家百年の大計に発展した。

四面楚歌の状況下で苦難と試練に耐える時代が続いたが、2015年を境に時代の風向きが変わった。坂中移民国家ビジョンは時代の風に乗った。日本型移民国家の姿が視界に入った。

学生時代の私は特に変わったところがない普通の学生であった。大学を卒業後は、安定した職業に就きたいと思って国家公務員の職を選んだ。法務省入国管理局というマイノリティの問題を所掌する地味な役所に入った。そのとき禁忌との闘いに明け暮れる人生が待っているとは思いもしなかった。どんな未来と遭遇するかは神のみぞ知るである。

公務員生活を終えた2005年。私は移民政策のことをあれこれ論ずることしか能のない人間である。せちがらい現代の日本にそんなのんきものの働き場所はなかった。第二の人生でかっこうな就職口がなかった私は、結局ボランティアとして移民政策研究に携わる道を選んだ。それが正解だった。無事これ名馬のごとく今日まで移民政策研究一路の道を疾走してきた。

法務省退職後の13年間、時間つぶしの道楽として、ボランティア活動として、ただ一つの生きがいとして、世界に類のない移民国家を創建することを目標にひたすら執筆活動に励んできた。私にとってそれはまさしく天職であった。これ以上のやりがいのある仕事はないと思っている。

そして2017年1月。日本型移民国家の理論を完成させた私は予想外の出来事に遭遇した。移民国家の象徴として世界に君臨してきた米国が、トランプ政権の発足で移民の入国を制限する国へと転換したのだ。それを見た私は、日本が移民開国を行って世界の窮状を救う時がきたと直観した。

移民に冷たい風が吹きすさぶタイミングで日本政府が移民国家宣言をすれば、天の時を得た移民国家ニッポンは順風に乗って世界に飛び立つだろう。世界の若者たちの熱烈な支持を受けて門出する移民国家ジャパンは世界の神々から祝福されるだろう。