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世界の知性が人類共同体の理念を掲げて立ち上がる時

いま私が最優先で取り組むべき使命とは何か。反移民勢力が勢いを増す世界の危機的状況を鎮めることである。世界の識者が「ミスターイミグレーション」と評価する坂中英徳が先頭に立って、世界各地で燃え上がる人道危機に立ち向かう。

反移民を掲げるアメリカのトランプ政権はもとより、イギリスは移民問題でEUから離脱を決定。フランスはパリが2回のテロ攻撃を受けて伝統的な自由・平等・博愛の精神が影を潜めた。イスラム恐怖症や、人種差別に近い国民感情も顕在化。ドイツのメルケル首相はEUの移民政策をリードしてきた立派な政治家であるが、反移民の右翼政党が勢力を伸ばし、退陣を余儀なくされた。メルケル後のドイツはどこに向かうのだろうか。加えて、オーストラリア、ニュージーランド、イタリアなどの国でも白人至上主義者や反イスラム主義者がのさばるようになった。

世界の移民政策を牽引してきたEUも、これまでは移民・難民を積極的に受け入れるドイツ、フランスなどのリベラル派が主導権を握っていたが、ここにきて反移民・反難民を唱える右派が一定の国民の支持を集め、両者の力関係に変化が起きつつある。
2019年3月、ニュージーランドで痛ましい事件が起きた。オーストラリア人が51人のイスラム教徒を銃殺した。犯行声明の中で「白人社会に白人以外の人間が入ってくるのは許さない」と言っている。その男はイスラム教徒を狙い撃ちで殺害したから反イスラムのイデオロギーの持ち主なのだろう。

大半の移民国家が、常軌を逸した国粋主義の方向に暴走しているかのように感じられる。このまま行ったら世界はどうなるのか、非常に危険な状況にあると深刻に受け止めている。
アメリカは独立宣言でアメリカに憧れて移住してくる人を歓迎すると約束した。それを国是としてきた。「アメリカは人種のるつぼ」とも言われていた。しかし、21世紀の今も白人至上主義者と黒人至上主義者が死闘を繰り広げている。アメリカ社会の黒人差別の根深さに驚きを禁じ得ない。

私はかつて、第二次世界大戦後の人類は人種問題を克服したと理解していた。しかし、21世紀の現在こそ「人種」の問題が噴出した時代である、そのように世界の厳しい現実を正視すべきと考えを改めた。

世界全体を見渡すと、人種や移民政策を理由とするヘイトクライムが続発している。世界に漂う異様な雰囲気は、ヒットラーがヨーロッパを席巻した第二次世界大戦前夜の空気とかなり似ていると感じる。欧米社会において自分たちの属する人種・民族・宗教が絶対的で正しいと考える人たちが増加傾向にあると認識する。異なる民族間・宗教間の大戦が起きる兆候が世界のあちこちに見られる。世界の知性が人類共同体の理念を掲げて立ち上がる時が来たと考えている。

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