世界で起きている移民排斥の動きに危機感を覚える

坂中提案

移民先進国の外国人処遇の歴史を概観すると、決して道理にかなったものばかりだったというわけではない。人種差別意識とイスラム教徒に対する恐怖心が国民の心にインプットされている欧米諸国では移民の同化はあまり進んでいないようだ。それどころか、まさに今、米国、英国、フランスで反移民を主張する排外主義的勢力が勢いを増している。

世界で起きている移民排斥の動きに危機感を覚える。排他的な民族感情に支配される世界の将来に不安を感じる。私は、移民後発国の日本は移民先発国の轍を踏んではならないと肝に銘じ、「万物は平等」と「人類は一つ」の日本人の思想を移民国家の理念に体現し、人類共同体の創造を柱とする日本型移民国家構想をもって世界の良識に訴えている。

この全人類に開かれた移民国家思想は、白人至上主義とキリスト教の一神教の考えが根底にある西洋精神の対極をなすものだ。それは人間・動物・植物のすべての生命体に神がやどると考える日本人の汎神論的世界観のたまものである。

日本においては、神道、仏教、キリスト教など多様な宗教が平和共存している。くわえて、日本人のこころの奥には文明化した現代世界では極めてユニークな宗教心、すなわち地球上に存在するあらゆる物と心を通わせ、それを信仰の対象として尊ぶ心がある。

人種・民族・宗教に甲乙はないと考える万人平等思想を懐き、万物に神の存在を認める日本人こそが、世界のどの民族も成し得なかった人類共同体社会をつくる可能性のある民族ではないか。様々な民族の心を一つにする親和力の強い日本社会の特色に照らすと、日本が世界の移民国家のモデル国となるのも夢ではないと考える。

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