ロマンチストの目とリアリストの目

坂中提案

私の著作物の大半は、政策論文という性格上、ロマンチストの要素とリアリストの要素のふたつが化学反応を起こして成立したものである。ロマンチストの目で100年先を展望するユートピア計画を立てた。リアリストの目で現実を直視し、広い視点から当面する最重要課題の解決策を提示した。学者の書く論文とくらべると、長期的かつ理想的なスタンスで問題の本質をとらえる傾向が強いのかもしれない。

私は信念を曲げない頑固者である。移民政策のことしか頭にない変わり者である。日本の未来をつくるロマンを求めて国家百年の計画を立てた。天の時を得て試合の流れを変える逆転満塁ホームランのような論文を発表する離れ業を演じることもあった。

とりわけこの5年間は、移民政策論文を書くことを日課とし、移民政策研究所のウェブサイトに力作を投稿してきた。総計1000本に及ぶ小論文がネット上を駆け巡った。一本一本の論文を積み上げた結果、その全体が移民政策を推進する巨大パワーに成長し、日本人の根深い移民拒否感情をくつがえした。坂中移民政策論は深く広く影響が及び、時代を動かす勢いに乗った。坂中英徳の個人的意見に過ぎなかった移民国家構想が日本の若者の心をとらえたのである。時代は、18~29歳の若年層の60%が移民政策に賛成という新しい局面に入った(2017年3月21日の日本経済新聞の「若年層の6割が賛成」)。

「移民政策はとらない」と公言する政府首脳も、若い世代の間に澎湃として盛り上がった移民を待望する声には逆らえないから、移民開国は時間の問題であると、私は現下の情勢を認識する。未曽有の少子化時代を生き伸びなければならない若者が待ちこがれた移民国家への転換は歴史の必然である。時代の流れに乗って移民国家日本は生まれるべくして生まれるのである。

移民開国を決断して日本の若者たちの心を絶望から希望に変えれば、時の首相は名宰相として日本の歴史に刻まれる。若者の心をないがしろにした政治家の末路は言わずもがなである。

 

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