1. TOP
  2. 政策提言
  3. ミスターイミグレーションが世界に雄飛する

ミスターイミグレーションが世界に雄飛する

 2020年9月現在の移民・難民をめぐる世界情勢を概観すると、コロナ禍の問題が起きる前から、米国、英国、フランス、ドイツなどの欧米諸国で異なる人種と宗教に対する排他的な考えが勢いを増していた。移民拒絶主義者・人種差別主義者・極右団体がわが物顔で闊歩する世界が出現していたのである。

  しかし、移民鎖国のイデオロギーを墨守して惰眠をむさぼっている日本のあり方こそよほど大きな世界問題である。移民問題で悪戦苦闘する先進国の中でひとり日本が移民鎖国の温室の中でぬくぬく生きる時代は終わった。一刻の猶予も許されない。ここ最近は、もはや何もかも遅きに失し、日本の起死回生の夢はかなわないのではないかと絶望感に襲われる日が多い。

  コロナウイルスの問題が起きる直前まで、少子高齢化による人口秩序の崩壊の脅威がひたひた押し寄せてくるなか、地方自治体の市長や村長が先頭に立って外国人材の獲得に駆けずり回っていた。超少子化の進行で人材確保が死活問題と認識する経済界は新卒の大学生・高校生の囲い込みに奔走していた。高度経済成長期の「青田刈り」を彷彿する動きも一部に見られた。

  コロナ問題の発生とは関係なく、政府が反移民政策に固執すれば、人がいなくなった地方自治体の消滅や、人材獲得が困難になった中小・零細企業の倒産が相次ぐ。
政治家は移民の助けを求める国民の悲鳴に耳を傾けるべきだ。政府は外国人材を各方面に潤沢に供給するため早急に移民開国を決断すべきだ。国民は「社会の一員として移民を温かく迎える社会」をつくる覚悟を決めるべきだ。

  出生者人口の激減で大量の移民を最も必要とする日本が、50年間で1000万人の移民(難民を含む)を受け入れると、世界の人々に約束する時である。移民が人道危機に見舞われている中、世界中の人が、「人種や宗教の違い乗り越えて人類が一つになる移民社会の理念」(人類共同体思想)を掲げて立ち上がる人道移民大国の出現に歓呼の声をあげるにちがいない。

  移民受難時代の到来は私の身にも変化をもたらした。日本の移民国家ビジョンのキーワードすなわち人類共同体思想は人類史的・世界的意義を有すると、世界の識者の注目の的になった。世界の知識人の間でミスターイミグレーションの名で知られる私は今後、日本のみならず世界の移民政策を牽引する責任があると闘志を燃やしている。

  日本の移民政策のパイオニアの頭にひらめいた人類共同体の理念が、世界の人道危機を救う光明としてきらめく時代が訪れると信じて疑わない。

  日本の精神風土の下で成長した人類共同体思想に関する建設的な議論が国の内外で繰り広げられることを切に希望する。