ミスターイミグレーションが世界に打って出る

坂中提案

2017年4月現在の私は、移民政策のオピニオンリーダーの立場から、世界の模範となる移民国家の建国を急ぐべしと、政府と国民にお願いしている。日本が未曾有の人口危機を解決し、世界の若者が日本への移民を憧れる人類共同体国家として屹立する時代をみすえている。

ところが、移民・難民をめぐる世界情勢が激変し、私が悠長に構えていることは許されなくなった。人類共同体の創成を目標に掲げる坂中移民国家構想が、今日の世界が直面する移民・難民問題を解決に導く世界的理念に発展する可能性が出てきた。アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスなど代表的な移民国家で宗教差別と人種差別の考えが幅を利かせるようになり、地球規模の人類共同体国家(人種・民族・宗教の違いを乗り越えて人類が一つになる世界)の創造を提案する坂中構想が人類史的・世界的意義をはらむものになった。

かねてより欧米の移民国家の轍を踏んではならないと肝に銘じ、日本独自の移民政策の立案に努めてきたが、欧米諸国で排外主義と反移民勢力が台頭したことによって、日本型移民国家構想の正しさが証明された。場合によっては、世界の人道危機を救う役割を、日本のミスターイミグレーションが担うことになるかもしれない。日本の移民政策のパイオニアが立てた人類共同体構想について世界の知識人の間で白熱の議論が展開されることを期待する。

日本政府に訴える。今こそ、日本オリジナルの移民政策が世界に飛躍し、日本の存在感を世界の人々に披露する時である。世界の移民大国が移民の扉を閉ざす方向にある中、人口激減社会の到来で大量の移民を必要とする日本が、50年かけて1000万人の移民を引き受ける用意があると、国際社会に約束する時だ。世界が移民暗国時代に入った今のタイミングで日本が移民国家の名乗りを上げれば、日本列島は「移民の新世界」として世界に名がとどろくだろう。また、それは欧米諸国の移民政策に猛省を促す強いメッセージになるだろう。

私の夢は年を重ねるとともに膨れ上がり、私の責任は重くなる一方である。正直な気持ちを言えば、日本の移民政策が山場を迎えた今、世界の移民政策のあり方にまで首を突っ込んでいいものかという思いがないわけではない。だが、すぐ思い直し、このふたつの仕事は密接に関係しているので、それを同時に成し遂げることが私に課せられた使命であると、気持ちを引き締めている。

私に残された時間は少ないが、アメリカのトランプ大統領の登場で移民政策が人類の未来を決める人類史的課題に発展した現在、世界の移民政策を正しい方向にリードするため余命を捧げる。

100年後の世界に生きる地球市民たちの間で「100年前に人類共同体構想を提唱した日本人がいた」と話題になる日を楽しみにしている。

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